昨年の8・6ヒロシマ大行動で右翼の妨害を跳ね返して開催された原爆ドーム前集会に対し,2月28日5名の仲間(3名関西,2名東京)が逮捕され,3月19日起訴されました。この中には高槻医療福祉労組や八尾北医療センター労組の仲間もいます。逮捕時には全国14か所に家宅捜索が強行され,8・6大行動の事務所や宮原委員長(8・6ヒロシマ大行動事務局長)の自宅にも家宅捜索が行われました。
「容疑」は「暴力行為等処罰法」違反。けが人もなく,被害届もだされていないのに「市職員に集団で暴行した」などとでっち上げ。暴処法は1926年治安維持法とセットで成立した法律で戦前から労働運動などの社会運動弾圧に使われてきました。
これは戦争の始まりです。2022年末に安保3文書が改定され,中国への侵略戦争をアメリカと共同で行う体制づくりがガンガン進められている中で,岸田政権は日本国内のあらゆる反戦運動・反核運動・反基地運動を叩きつぶす決断をしたということです。
すでに全国の被爆者,被爆2世3世,弁護士,労働組合,大学教授,医者などが呼び掛けて5人の釈放を求める署名が始まっていますが,街頭でも職場でも「広島で反戦の声を上げたら逮捕!?ありえない!」という怒りの声が上がっています。
この弾圧のもう一つの特徴として国家権力と右翼と広島市当局が完全に一体となって行っているということです。逮捕前日には市議会で8月6日の原爆ドーム前の集会とデモへの規制を求める請願決議(右翼が提出したもの)が可決されています。警察権力は25日に令状を取っていましたが,わざわざ市議会の決議を待ってから逮捕に踏み切っています。
そもそもウクライナ戦争も2年目に突入し,またパレスチナ・ガザでは連日のように大虐殺が行われ,全世界で反戦闘争が爆発している中で,広島市は被爆地として世界の先頭で反戦の声を上げるべき時に,逆に反戦運動の弾圧に血道を上げているのです。私含め市議会を傍聴していた仲間は「恥を知れ!」と声を上げました。
この弾圧と同じ流れで 昨年末には1971年沖縄返還協定反対の渋谷闘争で殺人罪をでっちあげられていた大坂正明さんに懲役20年の超反動判決が下されています。唯一の証拠とされた5人の証言者のうち4人が裁判で「うその自白を強要された」と証言しているのに,裁判官は「古い証言の方が信用できる」などと意味不明のことを強弁して判決を下しました。
戦前,1925年に治安維持法,26年に暴力行為等処罰法が作られ,28年に共産党員数千名の一斉検挙(3・15弾圧),そこから31年満州事変,37年盧溝橋事件と日中戦争に突入していきました。労働運動への弾圧も激しく行われました。こうした歴史を繰り返すわけにはいきません。労働組合の第1級の課題として反戦闘争と一体でこの弾圧を粉砕する闘いに全力を上げましょう。