2009/06/25

草津病院支部機関紙「医療の現場No.23」

労働者の団結の力で職場を変えよう!
事故・災害に直結!要員不足・過重労働を改善せよ!

職場の団結で、過労死・労働災害とリストラをはねかえそう!

 昨年10月、大阪と東京で過労死した看護師の労災認定が認められた。現在、オペ室や救急医療の中で、医師や看護師が酷使され過労死するケースが後を立たない。医療事故・労働災害も多発している。本当に許せない状況だ。 また、一方で評価制度と過重労働によって、看護師や介護職が酷使され短期間での「雇い換え」が常態化している職場が無数にある。
  この2つは氷山の一角だ。資本による労働者への酷使・搾取という点で他の職場の労働者と全く同じだ。私たちは闘わなければ生きていけない。これが新自由主義-医療福祉の民営化の現状だ。私たちはこんな職場を望んでいない!安全に働ける職場を奪い返そう!

草津病院は『リストラ』職場!

 1990年代から本格的に始まった職場のリストラとは、たんに労働者の首を切るというだけではない。リストラとは、金儲けのための「企業の再構築」であり、一部の経営者の利益のために儲かる事業は拡張し、儲からない事業は切り捨てることだ。
 今や大恐慌-大失業と戦争の時代が到来している。日本の資本家どもは破産した!しかし、彼らは生き残りをかけて、労働者に一切の矛盾を押しつけ、犠牲を強いている。その核心は、闘う労働組合を排除して労働者を資本の思いのままに支配することにある。
  今まで、草津病院が病棟再編を通してやってきたことは、まさにリストラだった。利益の上がる急性期医療対応病院として再編し、評価制度を振りかざして過重労働を強制し、職員の大半が入れ換わってしまった。職場は不信と競争の渦巻く監獄状況に追い込まれている。
 しかし私たちの組合、広島連帯ユニオン草津病院支部は、経営側と非和解で真っ向から対決して、病棟再編や評価制度に反対して、この3年間、元気に活き活きとストライキなどで闘ってきた。病院資本の搾取に対しては、職場の仲間が団結して組合に結集して生きさせろ!の闘いをやりぬくこと、このことが唯一、労働者として生きていく道だ!
 6月14日―15日、国鉄分割民営化と20年以上不屈に闘い勝利してきた動労千葉が呼びかける集会が東京でぶち抜かれた。資本と非和解で闘う労働者や青年労働者を先頭に2100名が結集した。監獄大学=法政大で治安弾圧と闘う学生たちも決起した。アメリカ・韓国の労働者との国際連帯を実現している、この闘いの潮流の中に労働者の未来がある。 私たち草津病院支部は、全国・全世界の労働者と固く団結している。この団結のもとで一緒に闘う仲間になろう!

佐藤院長の手紙は、医療労働者=「奉仕者」論の押しつけだ!

 いつも給料の時に出される「佐藤院長の手紙の意味は何?」と多くの職員が疑問を持っている。佐藤院長の手紙は、患者を中心にして語り、患者が回復することが職員にとって「やりがいのある医療」だと述べている。その正体は、「経営者と労働者の利害は非和解である」という資本主義の本質を隠すものだ。
  かつて資本家は、医療労働者を懐柔するために「聖職者(命を預かる尊い職業)」だとか「国民の奉仕者」だとかいうデマを振りまいた。日本共産党‐全労連の労働組合は、この考えに完全に屈服している。職場で労働者が闘わず資本に平伏していく在り方では、労働者は団結できない。それで彼らは労働者を裏切り、選挙に一切を流しこむ運動に労働者の闘いを押し留めてきたのだ。今や積極的な資本の先兵と化しているのが全労連だ。

労働者が社会の主人公だ!資本主義社会を労働者自身の手でうち倒そう!

 しかし今、資本主義は終わった!大恐慌の時代が来た。「聖職者」論や「国民の奉仕者」論は通用しない。そこで資本家たちが繰り出してきたのが、「医療はサービス業」論、「患者=お客様」論だ。経営コンサルタント会社が、金儲けのチャンスとばかりに、医療業界に乗り出した。草津病院もその波に乗り、この4月から評価制度を改悪したのだ。
  職員の声は「学生の通信簿みたいに社会人になってもなぜ評価されないといけないのか」「目標は自分の中にあればいいわけで人に評価できるものではない」と言っている。当然の声だ。評価制度が、労働者にとってチンプンカンプンにされ、さらに時間がかかるシロモノになった。「職務スキルチェック」など何のためなのか。
 職場では不満・疑問・不安-怒りが巻き起っている。新制度の強行実施の目的は、職員を制度に従わせることで、搾取や支配に対する労働者の怒りを押さえ込み、資本の言いなりになる奴隷のような労働者をつくることにあるのだ。

組合は職場の団結を破壊する評価制度に絶対反対だ!

 今回も組合は、人事考課制度(評価制度)の提出を拒否した。今回の新評価制度には、D評価=『周囲に悪影響を与えるレベル』などとはっきりと書かれている。これは職員の人格を否定し、組合員を排除するためのレッテルに使われる組合つぶしの評価ランクだ。『草津病院にはあなたは要りません』と職員に突き付け、職場の団結を破壊するものだ。組合員を「見せしめ」にして労働者を支配し、辞めるように仕向ける制度に他ならない。つまり「周囲への悪影響」を判断するのは経営なのである。
  1人1人が提出拒否をする事で、評価そのものが成り立たなくなる。抵抗する者が誰もいない時にはじめて成り立つ制度が人事考課なのだ。怒りの渦が一つになり集まると巨大な渦に変わりこの人事評価制度をぶっつぶせるのだ。さらに多くの仲間が組合に加入するといろいろな闘いができる。組合に加入して自分たちの労働現場を団結の力で変えていこう!

道州制反対!医療の民営化と闘い、医療労働者の団結で戦争と改憲を止めよう!

  現在、地方の市民病院など公立の病院が医師不足などを理由にして、また市の財政破綻を口実に次々に統廃合されようとしている。この世界大恐慌の中で、国家としての生き残りをかけた改造計画として『道州制』の導入が狙われている。職員(公務員)を一旦全員解雇して公立病院をすべて民営化し、職員を選別再雇用するという国鉄分割民営化型の労組つぶしの攻撃だ。資本主義が生き延びるために労働者を餌食にしようとしている。これは社会全体の民営化であり、医療福祉労働者もその例外ではない。全労働者の「生き死に」の問題そのものなのだ。無縁な労働者は一人もいない。今こそ草津病院での労組の闘いを爆発させ、道州制攻撃と闘おう!
 360万人の公務員が解雇されるという道州制に、教職員組合や自治体の労働組合の現場労働者の怒りが高まっている。4大産別(国鉄・郵政・自治体・教育)をはじめ、あらゆる職場に団結を拡大する時だ。その力で8・6ヒロシマ大行動に総力で参加しよう!