2010/05/28

国鉄1047 名解雇撤回闘争の「政治和解」に反対します!

国鉄分割・民営化反対、1047名解雇撤回を貫き、動労千葉と共に闘う
2010年5月
広島連帯ユニオン
執行委員長 鈴木範雄

(1)
 現在進められている国鉄1047名解雇撤回闘争の「政治和解」とは、国家・資本による国鉄闘争解体攻撃であり、労働組合破壊そのものです。広島連帯ユニオンはこれを弾劾し、「政治和解」反対の立場を表明します。
 マスコミ等では「政治和解」「政治解決」などと報道されていますが、これは「和解」でも「解決」でもなく、闘争を止めよ、全面屈服せよというものです。政府・国土交通相が提示し国労本部と4者4団体が受諾した和解の条件は、解雇に対する一片の謝罪もなく、解雇撤回もなく、それどころか僅かなカネと引き換えに「全ての訴訟を取り下げる」「不当労働行為や雇用の存在を二度と争わない」「JRへの雇用は保証できない」というものであり、1047名の23年余の闘いを100パーセント踏みにじるものです。何よりも「動労千葉争議団を除く」として、最も原則的に闘う者をあらかじめ排除していることにその意図が示されています。
 国鉄分割・民営化とは国家の総力をあげた労働組合破壊の攻撃でした。退職強要や出向・転籍、組合差別・選別などあらゆる不当労働行為が吹き荒れ、20万人の国鉄労働者が職場を追われ、200名以上が自殺に追い込まれました。1047名の被解雇者は国鉄分割・民営化への怒りとくやしさを片時も忘れず、労働者としての誇りにかけて闘ってきました。
 「政治和解」とは、前原国交相が「国鉄改革の完遂に向かって全力を尽くす」と述べているとおり、国鉄分割・民営化をあくまでも正当化するものであり、分割・民営化に際して行われた労働組合攻撃、不当労働行為、解雇などのすべてを承認するということです。
 このことは全ての労働者の未来を左右する大問題です。広島連帯ユニオンはこのような「政治和解」を絶対に容認できません。

(2)
 広島連帯ユニオンは、国鉄分割・民営化と総評解散—連合結成という労働運動の反動的大転換に抗して1989年7月に結成されました。民間基幹産業において組合分裂・破壊攻撃に対して第一組合の旗を守り抜いた全造船三菱広機分会の闘いを土台とし、広大生協労組とともに労働運動の階級的再生を展望して、地域の未組織労働者のなかに団結を組織する闘いを開始しました。したがってユニオンにとって国鉄闘争とりわけ1047名解雇撤回闘争は自らの闘いそのものであり、ユニオン結成の当初から、全金本山闘争に対する支援と同時に、一貫して国鉄闘争を支援し続けてきました。
 いま世界が大恐慌に突入し、リストラ、解雇、雇い止めなど大失業攻撃が吹き荒れています。労働者の約4割が非正規雇用にされ、凄まじい低賃金と強労働を強いられています。その矛盾と犠牲が青年労働者に集中的に襲いかかっています。連合の変質は極まり、政権与党そのものとして大量首切り・賃下げと沖縄への基地押し付けをおこなっています。
これら一切の出発点となったのが国鉄分割・民営化でした。中曽根首相(当時)は「国労を潰して総評・社会党を潰す」「行政改革で立派な憲法を安置する」と述べました。労働者の労働条件、権利、生活の一切を破壊しつくして資本の無制限の搾取・収奪を可能にすると同時に戦争国家体制をつくる攻撃であり、その攻撃の核心に国鉄労働運動—日本労働運動の破壊が据えられていました。
 これに対し、動労千葉は1985〜86年の2波のストライキをはじめ、国鉄分割・民営化反対を貫いて闘い団結を守り抜いてきました。1047名の労働者が解雇撤回闘争を不屈に貫き、国鉄闘争を軸にして全国で100万人ともいわれる支援の陣形がつくられてきました。この力が労働運動の産業報国会化を阻み、改憲・戦争を阻止してきました。
 国鉄1047名解雇撤回闘争の解体とは、1047名の闘いのみならず日本労働運動のすべてを葬り去るという攻撃であり、その先にあるのは、さらなる民営化・外注化の推進と大合理化・非正規雇用化、首切り・賃下げであり、改憲・戦争—ヒロシマ・ナガサキへの道です。
 しかし、1047名闘争が解雇撤回を貫いて闘い抜いたとき、必ず膨大な労働者の怒りの結集軸となります。この間、ユニオンでは解雇に関する労働相談を受け、いくつもの争議を闘っています。多くの青年労働者が国鉄闘争に感動し、「1047名のように闘おう」と困難を突き破って決起しています。23年余におよぶ解雇撤回闘争は、大失業時代に生きる青年労働者の希望なのです。

(3)
 動労千葉は、「1047名の人生をかけた闘いが踏みにじられようとしている。23年間の闘いはなんのためだったのか。国鉄分割・民営化との闘いは何ひとつ終わっていない。動労千葉と動労千葉争議団9名にとってすべてはこれからである。国鉄闘争の火を消してはならない。この闘いの勝利の中に労働者と労働組合の未来がかかっている」と訴えています。国労闘争団の中からも「政治和解」を拒否し、あくまでも解雇撤回を貫く複数名の労働者が登場しています。
 「国鉄闘争の火を消すな」という動労千葉の呼びかけに応えて、6月13日に「国鉄分割・民営化に反対し、1047名の解雇撤回闘争を支援する新たな全国運動」がスタートします。広島連帯ユニオンは労働運動の再生と復権をかけてこの全国運動に賛同します。
 国鉄分割・民営化との闘いは過去の問題ではありません。現在JRでは、鉄道のあらゆる業務を外注化し、数百の子会社・孫会社に分割し、労働者を強制出向・転籍させるという究極の合理化攻撃が進められています。これに対し動労千葉は、「反合理化・運転保安闘争の真価をかけて、数年がかりの大闘争にはいる。これは新たな分割・民営化反対闘争だ」と闘争宣言を発して5波のストライキをもって闘い、検修・構内業務の全面外注化の4月実施を阻止しました。
動労千葉の闘いを守り発展させ、国鉄分割・民営化の完成を許さず1047名解雇撤回を貫く闘いの勝利に、日本労働運動のこれまで限界を突き破り、大恐慌と対決する新たな労働運動をつくりだせるのかどうかの命運がかかっています。この闘いは全労働者の未来がかかった一大階級決戦です。
 広島連帯ユニオンは、すべての職場に闘う労働組合の旗を打ち立てる闘いと、国鉄闘争の勝利は一体であることを強く確信して、解雇撤回を貫く国鉄労働者と共に勝利の日まで闘います。

2010/05/07

4.25尼崎事故弾劾闘争〜4.26国労臨時大会抗議行動

あくまで1047名解雇撤回!~国鉄分割・民営化は終わってない!

425日、国鉄分割・民営化の帰結として引き起こされた尼崎事故5周年を弾劾する尼崎現地闘争が開催されました。ユニオンからも多くの仲間が参加しました。現地で事故弾劾の集会と事故現場までのデモが闘われ、480人の労働者・学生が結集しました。この闘いは、4月25日を「静寂な慰霊の日」からJR資本を弾劾する「怒りの日」へと塗り替えました。集会後、参加者は直ちに事故現場までのデモに出ました。「事故弾劾・解雇撤回」のシュプレヒコールを響かせて進むデモ隊に、例年以上の沿道から熱い注目が集まり、激励がありました。民営化の下、「稼ぐ」という人命を顧みない金儲け路線のJR西日本に対する労働者・住民の怒りが大きく渦巻いていることが肌で感じられました。

その尼崎現地闘争に参加した足で、426日、東京・社会文化会館で開催された国労の第78回臨時大会での1047名解雇撤回闘争の「和解案」承認に反対する抗議行動に行きました。

 国鉄分割・民営化という国家的な不当労働行為を受けた国労がそれを不問に付して、雇用と労働条件について二度と争わない、などという条件付きの「金銭和解案」を23年間、解雇撤回を闘ってきた国労と闘争団が認めてしまえば、労働運動に大きな汚点を残します。なにより全ての労働運動、とりわけ合同労組の闘いにとっても大きな影響があります。こんな「和解」ならざる資本への全面降伏が労働組合の名をもって行われれば、労働組合の闘いは成り立たなくなってしまう。全て金で終わってしまう。こんなことは絶対に認められない。

 何より広島連帯ユニオンと三菱広機分会は、物販をはじめとした共同闘争を担ってきました。この23年間の不当解雇との闘いを、動労千葉の争議団も含めた1047名だけの問題ではなく、労働者全体にかけられた資本・国家権力との決戦と捉えて、支援という観点からだけではなく、自らの闘い、労働組合と資本との闘いとして担ってきました。この闘いが、国労の一部幹部の私利私欲で、当該の闘争団にも知らせないで「和解」するなどということは、とうてい認められないし、断じて許せません。

 当日は、国労の闘う闘争団・組合員を先頭にして、広島から参加した動労西日本と動労千葉を支援する会・広島の仲間と共に全国の闘う仲間と団結して終日の抗議闘争を闘いました。

 1987年の国鉄分割・民営化の強行が、現在の労働者の非正規職化と格差社会の始まりでした。国鉄分割・民営化との闘いは、まだまだ終わっていません。いやむしろ今こそ闘いの炎を燃え上がらせて、全ての労働者の反撃の軸に、1047名解雇撤回闘争を据えていく時です。民営化は合理化そのものであり、労働者の首切りが核心です。合理化の結果がJRでは尼崎事故をはじめとした事故や労災を引きおこしています。そして大恐慌の下で、資本が労働者を賃金奴隷として使い捨てにする状況を生んでいます。

 第二の尼崎をくり返すな!と反合理化・運転保安闘争を闘う動労千葉―動労西日本と団結して、動労千葉が呼びかける「国鉄分割・民営化に反対し、1047名解雇撤回を支援する新たな全国運動」を広島でも広げて、反撃していこうではありませんか。








あくまで1047名解雇撤回!~国鉄分割・民営化は終わってない!



 4月25日、国鉄分割・民営化の帰結として引き起こされた尼崎事故5周年を弾劾する現地闘争が開催されました。ユニオンからも多くの仲間が参加しました。現地で事故弾劾の集会と事故現場までのデモが闘われ、480人の労働者・学生が結集しました。この闘いは、4月25日を「静寂な慰霊の日」からJR資本を弾劾する「怒りの日」へと塗り替えました。集会後、参加者は直ちに事故現場までのデモに出ました。「事故弾劾・解雇撤回」のシュプレヒコールを響かせて進むデモ隊に、例年以上の沿道から熱い注目が集まり、激励がありました。民営化の下、「稼ぐ」という人命を顧みない金儲け路線のJR西日本に対する労働者・住民の怒りが大きく渦巻いていることが肌で感じられました。
 その尼崎現地闘争に参加した足で、4月26日、東京・社会文化会館で開催された国労の第78回臨時大会での1047名解雇撤回闘争の「和解案」承認に反対する抗議行動に行きました。
 国鉄分割・民営化という国家的な不当労働行為を受けた国労がそれを不問に付して、雇用と労働条件について二度と争わない、などという条件付きの「金銭和解案」を23年間、解雇撤回を闘ってきた国労と闘争団が認めてしまえば、労働運動に大きな汚点を残します。なにより全ての労働運動、とりわけ合同労組の闘いにとっても大きな影響があります。こんな「和解」ならざる資本への全面降伏が労働組合の名をもって行われれば、労働組合の闘いは成り立たなくなってしまう。全て金で終わってしまう。こんなことは絶対に認められない。
 何より広島連帯ユニオンと三菱広機分会は、物販をはじめとした共同闘争を担ってきました。この23年間の不当解雇との闘いを、動労千葉の争議団も含めた1047名だけの問題ではなく、労働者全体にかけられた資本・国家権力との決戦と捉えて、支援という観点からだけではなく、自らの闘い、労働組合と資本との闘いとして担ってきました。この闘いが、国労の一部幹部の私利私欲で、当該の闘争団にも知らせないで「和解」するなどということは、とうてい認められないし、断じて許せません。
当日は、国労の闘う闘争団・組合員を先頭にして、広島から参加した動労西日本と動労千葉を支援する会・広島の仲間と共に全国の闘う仲間と団結して終日の抗議闘争を闘いました。
1987年の国鉄分割・民営化が、現在の労働者の非正規職化と格差社会の始まりでした。国鉄分割・民営化との闘いは、まだまだ終わっていません。いやむしろ今こそ闘いの炎を燃え上がらせて、全ての労働者の反撃の軸に、1047名解雇撤回闘争を据えていく時です。民営化は合理化そのものであり、労働者の首切りが核心です。合理化の結果がJRでは尼崎事故をはじめとした事故や労災を引きおこしています。そして大恐慌の下で、資本が労働者を賃金奴隷として使い捨てにする状況を生んでいます。
 第二の尼崎をくり返すな!と反合理化・運転保安闘争を闘う動労千葉―動労西日本と団結して、動労千葉が呼びかける「国鉄分割・民営化に反対し、1047名解雇撤回を支援する新たな全国運動」を広島でも広げて、反撃していこうではありませんか。