2017/12/27

医療・介護・保育破壊と大増税を許すな|草津病院支部

2018年は、社会保障解体と大激突
医療・介護・保育破壊と大増税を許すな

2018年3月末に迫る有期雇用労働者450万人の大量解雇問題とともに、社会保障をめぐるもうひとつの「2018年」問題が急浮上しています。安倍政権は、4月から医療・介護制度の改悪、生活保護費削減と保育の民営化・規制緩和などを進め、さらに19年、20年からの消費税・所得税増税と出国税、森林環境税の創設に踏み出そうとしています。これは労働者の生活の全般にわたっており、戦争・改憲の攻撃と一体の、国家による収奪の強化と生活破壊そのものです。安倍政権はこれを「人づくり革命」「生産性革命」の大攻撃と完全に結合する形で進めようとしているのです。働く仲間は、団結して生き抜くために、職場で闘おう!

■「人づくり革命」と結合し留め金外す

厚生労働省は12月6日、2018年4月からの診療・介護報酬と制度改定の基本方針をまとめました。続いて9日に安倍首相は消費増税分などを原資に「人づくり革命」「生産性革命」という名の「新しい経済政策パッケージ」を閣議決定。14日には年収850万円超の労働者への所得増税と新税創設などを盛り込んだ『与党税制改正大綱』が決定されました。
 政府は18年度、社会保障費の自然増を1300億円圧縮して5000億円に抑える目標を掲げています。命に直結する医療・介護・福祉などの費用が、社会全体を覆う非正規職化と貧困、高齢化によって増えていくのは当然のことです。それをあたかも「悪いこと」のように決めつけて、必要な予算増をむちゃくちゃに減額して戦争のために使うことなど絶対に許されません。
 医療については、看護師のより手厚い体制が必要な急性期病床は「多すぎて無駄」だとして、診療報酬を削減し、重症患者の病床を減らそうとしています!これで追い出される重症患者が膨大に増えるということです。
 介護では、リハビリで「自立支援」の成果を上げた場合に報酬を手厚くするとしていますが、「要介護3だった人が要介護2に下げられるといった事態が発生しかねない」と懸念の声が上がっています。さらに「過剰な訪問介護を減らす」として、集合住宅で隣接の事業所からの介護の利用回数を減らします。「要支援1、2」の軽度の人向けの訪問介護・通所介護は、全国一律から市区町村ごとの「総合事業」に移します。介護資格を持たない住民をボランティアとして働かせたり、独自の「認定ヘルパー」を雇うことも、すでに始まっているのです。
 介護保険料は毎年のように上がり、高齢者の医療や介護の負担増はどんどん進んでいきます。生活保護では、食費や光熱費などに充てる「生活扶助費」の1割引き下げなどが狙われています。
 保育は『人づくり革命』の「幼児教育無償化」「待機児童解消」攻撃の最大の柱とされます。国の保育士配置基準は「1歳児6人に1人」です。政府は昨年3月、労働者や保護者の闘いで保育士配置や保育スペースが国より手厚い自治体に、基準の引き下げを求めました。しかし、これは現場の闘いではね返されました。それを政府は今回、基準の半分で済む企業主導型保育所の定員規制を撤廃し、そこに予算を回し、法人税を下げて優遇するととともに、基準が高い自治体には都道府県単位で圧力をかけて基準を下げ、保育の民営化を促進しようとしています。これは『民営化・規制緩和による保育の破壊』であり、ひいては、職場の団結破壊-労働組合つぶしと安全の崩壊へと直結していきます。

■個人請負を促す給与所得控除削減

安倍首相は、労働者を分断して年収850万円超の労働者の「給与所得控除の上限」を引き下げて所得税そのものは増額しようとしています。初めは「年収1075万円以上」の高所得者が対象と称して導入し、いずれは労働者全体に波及させることを企図しています。これは残業代ゼロ法案の手口と同じです。この制度改革では公務員を含む200万人が対象にされるといいます。
 他方で、株の売買など、金融所得で年収2億円を超える富裕層には、所得税の負担率が減るという逆転現象が生じます。何という事でしょうか!
 さらに『働き方改革』を後押しし、労働者でなくても適用される基礎控除を拡大して減税を図り、労働基準法・労働組合法の適用されない個人請負(個人事業主)化を促進しようとしています。これを2020年1月から実施し、以降も進めると大綱に明記しました。安倍首相は『生産性革命』と言いながら「雇用関係によらない働き方」と同時に、金を払えば労働者を、好き勝手に使い捨て解雇にすることができる金銭解雇制も狙っています。今や日本資本主義は、労働者から極限的に搾り取るやり方しかないほど破たんを深めて崩壊をはじめています。だからこそ改憲・戦争へと舵を切ったのです。

■生き抜くために、'18春闘を闘おう!

2018年3月末の有期雇用労働者450万人、9月末の派遣労働者130万人の大量解雇を許さない闘いを先頭にして、労働者の怒りが火を噴くことを安倍政権は恐れています。
社会保障破壊との闘いは、戦争・改憲・労働大改悪阻止とともに労働運動の最大の課題です。連合本部を打倒し、生き抜くために2018春闘をゼネラルストライキで闘おう。

●韓国ソウル大病院労組、無期限全面スト突入-1日で正規職化


 韓国での「長年の悪政で積み重なってきた弊害を労働組合の力で根絶しよう」という積弊清算の闘いは、さまざまな現場でいっそう激しく進められています。
 月12日、公共運輸労組医療連帯本部に所属するソウル大病院労組が、経営側の不正や腐敗、さらに院長の退陣をはじめとする「人的積弊」の清算、非正規職労働者1600人の正規職転換、医師の成果給制廃止などを求めて無期限の全面ストライキに突入。闘いに震え上がった病院側は24時間もたたないうちに労組の要求を受け入れ、年内に正規職転換を行い、賃金総額を3・5%引き上げることを約束させました。組合側の大勝利です!

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