-----機関誌『団結』no.162-----
怒り!労災事故でも報告書を作らず、忘れたと居直る理事会を許さない
要求貫徹のため、労組はストライキにはいります!
4月11日に行われた「春闘討論集会」でストライキの日程を決定しました。労組の要求は、
第一は、大幅一律ベースアップです。とりわけ十年にも渡って据え置かれてきた準職員の時給の、広島県産業別最低賃金756円への改善です。
第二は、正規職員補充です。正規職員の補充を行なわず、低賃金の準職員に仕事と責任を押しつけ、労働強化を強要しています。労災事故の原因です
3月27日の団交では労災事故にあったKさんを病院に行かせなかった問題を再度やりあいました。「マジックリンが顔に掛ったので病院に行かせてくれ」と言われたかは記憶にないというのが酒井部長の答えであり、覚えていないのだから「謝る必要はない」いうのが小薮専務の態度でした。労災事故があっても報告書すら作っていないことが明らかになりました。
第三は、名ばかり管理職の食堂部店長の残業代未払い請求です。労基署の是正勧告書を受け取り拒否した理事会は、労基署へ反論書を出したから、団交では交渉しないとしてきました。3月27日の団交ではついに、労基署から相手にされてないことを認めました。
要は、食堂部店長が経営者と一体の管理監督者とは言えないことです。自らシフトに入り、長時間くたくたになるほど働きながら、店長になると平職員の時より賃金が減少します。もっとも重要なのは、生協の基本的政策決定には関与せず、決められたことを遂行している立場にすぎないことです。
だから、この春闘では、自らストライキに立ち上がり、労働者として働き安い職場、労働者の権利を守る職場にするために闘おうとしています。支持し共に闘おう!
まともな賃金なしでは働けない
広大生協のパート賃金はこの十年間、どんどん広島県最低賃金に近づいています。実質的な賃金切り下げが行われたのです。
私たち労働者は、日々、労働力を売って、経営者のもとで大きな価値を生み出しています。ミールカードの導入以来、無茶苦茶な労働強化です。実質的な賃下げです。
賃金は(自分と家族が生きてゆけるよう)労働力を再生産するのに充分でなければ、労働力は摩耗し劣化します。労働力しか売るもののない労働者にとって、生活費も満たせないような低賃金では生きてゆけません。理事会は十年一日のように赤字だからと言います。赤字は労働者の責任ですか! 赤字なら労働者は人間らしい生活も奪われて当然とでも言うのでしょうか? 労働者を喰わせることが出来なくなった経営者はアウト。『生きさせろ!』の声をあげ、労働者が団結して闘って、社会の主人公になる時代の始まりです。
--------------ス ト ラ イ キ 宣 言----------------
私たちはもう我慢の限界です。理事会の言いなりになって、ボロボロになるまで働かされるよりも、声を上げ、この怒りを行動に移して、労働者が安心して働ける職場に変えて行こうと決意しました。以下の要求実現に向け、4月16日以降、店長職の組合員の8時間の超える残業拒否を皮切りにストライキで闘います。
1)正規職員の補充をせよ!病院に行かせなかったことを謝罪せよ!
2006年4月パワーマジックリン(強いアルカリ性の油落とし)が顔面にかかりやけど状態になったにもか
かわらず、代替の職員がいないことを理由に病院に行くことを許可されないという事件が起きました。そのため、事故の後も濡れタオルを顔にまいて5時間も働かざるを得ませんでした。当該の労働者(調理師)は2年間の沈黙後、労組に結集してその事実を明らかにしました。
謝罪を求めて4回の団交を行ないましたが、食堂担当常務理事は「記憶にない」と居直り、専務理事も記憶がない以上謝罪の必要はないと被災した労働者の怒りを逆なでするばかりです。記憶がないと言えば、許される?こんな事故が起こったのに、生協理事会は『事故報告書』も作成していなかったというのです。
2006年2月の「中指切断」から2009年3月までに18件もの労災事故が起こっています。大半が食堂部での事故です。しかも、労基署への「死傷事故報告書」の提出も行なっていません。労災隠しです。また、生協には『労働安全衛生法』に定める「安全衛生委員会」が未設置です。昨年、当労組書記長が労働者代表に選出され、労働者側委員の選任ができる状態にあるにもかかわらず、理事会は「労働者代表とは認められない」と「安全衛生委員会」を開こうともしていません。労働基準監督署からも、設置の指導を受けているのにです。
労災事故の根本的な原因は人員不足です。理事会はそれを否定しています。労災事故は、利用者にとっても深刻な問題です。さらに大きな事故が起きれば、食堂の営業不能といった事態すら起きかねないからです。
2)名ばかり管理職への未払い残業代を支払え!
広大生協で中間管理職である食堂部店長も月に平均60時間を超える残業を行い、平職員の時よりも賃金が下がる「名ばかり管理職」です。店長としての手当て分を超える残業代の支給を要求しています。名ばかり管理職は労基法の32条(労働時間)の規制を受けるからです。ちなみに、この10年間、生協では三六協定が無締結の違法状態が続いています。これも、監督署の是正指導を受けています。
昨年、労働基準監督署に相談を行い、労基署も「経営者と一体の管理監督者とまでは言えない」と是正勧告を行いました。しかし、生協理事会は、その受け取りを拒否したばかりか、食堂部店長と労組に勧告内容を明らかにせよとの要求に応じようともしません。一方で、顧問弁護士と相談して、労基署に反論書を提出し、それを理由に、団交事案にすることを拒んで来ました。
しかし、3月になって、監督署から「勧告」の撤回はありえないと回答されました。にもかかわらず、団交では勧告内容を隠したまま、「労基署がまちがっている」「経営者と一体の管理監督者として位置づけている」とふざけた答弁を行なっています。理事会がどう位置づけようと、肝腎なのは実態です。現場労働者としてシフトに入り、出退勤の自由もありません。長時間労働を強いられ、有給休暇は大学休業時に取得して、自由取得とはほど遠いのです。何よりも、幹部会や常務理事会、理事会で決定する生協の基本方針の策定にも関与することはありません。決められたことを遂行している関係でしかありません。正規職員の補充をどれほど強く訴えても、長時間労働は店長としてやりくりが適切でないと言わんばかりの対応で拒否しています。
今、食堂部店長のタイムカードが2ヶ月も所在不明になっています。この事実もあまりに労働者をなめきった理事会の姿勢を示しています。
3)大幅一律ベースアップを認めよ! (正規職員一律3万円、準職員1000円以上/時給)
正規職員は8年間、準職員の時間給は10年間も押さえ込まれたままです。とりわけ定期昇給の頭打ちになる準職員については、この間、産業別最低賃金748円を要求してきました。4.5時間以下のB契約の労働者の時間給はこの10年据置(695円)で、限りなく広島県最低賃金683円に近づいています。実質的な賃下げにさらされています。労働者として自らの労働力を再生産して明日を生きるに足る賃金を求めて闘います。