5・15団体交渉報告
「命より金もうけ」の病院経営は職場の安全を守らない!
労働組合の団結で職場の安全をかちとろう!
●14春闘要求の団体交渉で明確になったこと
去る5月15日、広島連帯ユニオンと草津病院経営との団体交渉(団交)が開催されました。組合は、改めて草津病院の経営陣が、「命より金もうけ」の新自由主義経営であることを改めて実感しました。
現場で働く労働者・組合員の「安全に誇りをもって職場で働きたい」という思いと、病院側の利潤第一の経営方針とはまったく相いれないものであるということが、再度ハッキリしました。病院は、ほとんど理由も示さずに組合側の要求をすべて拒絶したのです。病棟の安全崩壊の現実をまるっきり解っていません!
●生き抜くために労働組合で団結して闘おう!
草津病院の経営陣は、まず『病院の利潤ありき』で、職場の安全や労働者の労働条件については、二の次でした。経費の削減という観点はあっても、働く仲間や患者の安全を第一に据えるという考え方には立たないのです。
経営側は「今の病棟は充分に安全だ。草津病院は他の病院よりもましだ。国の基準以上の人員を配置しているから大丈夫」と言います。しかし現実はそうではありません。
現に急速に進められている安倍政権下での社会保障-医療・福祉制度の改悪・規制緩和でどんどんと安全が切り捨てられ、労働災害や事故が多発しています。
結局は、労働者が団結して職場の安全と生きていける労働条件を闘いとるしかないのです。
労働組合に加入して闘うことが今ほど求められ
ている時はありません!
●インフルエンザ罹患は安全問題だ
今回の団交では、14春闘要求と一体で、職場の安全問題として、組合は病院でのインフルエンザ蔓延に対する経営側の立場を質しました。
病院はインフルをはじめとして傷病は「病院の責に帰さないものはすべて職員自身の責任」と断じて、自己責任の傷病には「一切補償は行わない」と言明しました。恐るべきことです。個人で「病院の責」をどう立証するというのでしょうか!今までの労働災害や院内での事故の場合と同様に、今回も経営側は、罹患の責任は、すべて当該の労働者が負うべきという姿勢を明らかにしました。
つまり病棟職員や患者、医局の医師までが感染し、ある病棟では病棟閉鎖まで行われた今回のインフルエンザ感染の問題は全部、罹患した労働者の責任であると言い放ち、責任を放棄したのです。
●病院は組合員の訴えに応えるべきだ
インフルエンザに罹患し、休業を命じられた組合員が団交の現場で、経営陣に対して次のように訴えました。
「インフルエンザに罹患して上司に休業を命じられた、上司の指示に従い休業したのに補償はされない、これはおかしいでしょう。このことは私一人の問題ではありません。病棟で働くすべての職員のおかれた現状です。自己責任の下に有休や病休にされ、欠勤扱いになり不利益を被っている職員は大勢います。」「確かに上司は私に『他の病院に掛るように』と言いました。感染が拡がる前に疑いのある職員を直ちに院内で診察するべきだったのではないでしょうか」
「補償がされないためにインフルエンザに罹っても出勤して働く職員が出てくるのではありませんか?職場の安全は崩壊寸前です。」
まったく真っ当な意見ではないでしょうか。病院は、職員の傷病について自己責任に帰するのではなく、適切な予防措置(草津病院内での診療や服薬など)をとるべきだったのです。
このように団交では、組合員は経営陣に対して、対等に渡り合い、職場の怒りをぶつけることができるのです。
●新自由主義経営は人を殺す
今、新自由主義の下、「命より金」の剥き出しの資本主義の本性が現れています。労働者の生きる権利を奪い、その命をも使い捨てにするやり方が横行しています。労働者の命まで「コスト削減」ですり減らし、経営者は責任を取らず、事故や事件、傷病はすべて労働者の自己責任と言いなして、労働災害や事故が発生すれば、全部現場の労働者に責任を転嫁する『ブラック企業』がはびこっています。闘わなければ生きられない!韓国のセウォル号(フェリー)沈没事故のように新自由主義に殺される! そんな時代が到来しています。
●団結し闘うことで生きる希望が湧いてくる時代が来た
本日、29日=肉の日として、過重労働の牛丼「すき家」(ゼンショー)の労働者が『ストライキ』に入ろうと呼びかけています。line やネットでつながり、怒りをバネに巻き起こった闘いです。一方で御用労組の「ゼンショーユニオン」は「ストライキだけはやめよう」と冷や水をかけてまわり、会社の手先になっています。
5月30日には、福島第一原発の地元-いわき市で、JR の労働組合である動労水戸が、被曝労働を強制するJR常磐線の竜田延伸阻止を掲げてストライキに入ります。自分たちの利害のためだけでなく、多くの労働者や住民の命と生活を守るために鉄道員の使命と誇りにかけて闘うというのです。これが団結した労働者の力です。
この闘いに仮設住宅に避難している福島の住民が圧倒的な共感と支持を寄せています。生きる希望を闘う中で生み出していく、これが労働組合の本来の姿なのです!
すべての草津病院で働く仲間のみなさん!組合に結集して共に生き抜いていきましょう!
次回の団交は6月13日(17時半~サムシングホールドルフィン)の予定です。多くの職員の結集を訴えます。徹底的に病院の責任を明らかにしていこう!