『医療の現場』No.87
2015/3/10
草津病院支部
面談たちまち異動発令!「希望を聞く」というのはウソだった
「強制配転・解雇」の病棟大再編 絶対反対!
去る3月7日に開かれた『国際婦人デー記念3・7広島行動』で、草津病院の闘いを報
告した組合員の発言を紹介します。
■病棟大再編絶対反対の声を
「命より金もうけ」の新自由主義社会の下で医療の全面破壊が進む中、病院という命の現場では、安全がすでに崩壊している現状です。それは誰の目にも疑いようのない労災という形で現れました。すべての職員が命より金もうけの経営のやり方に対して怒りを持ち、不安を抱いて働いています。安全崩壊の中で、その解決なしに新たな事業展開や病棟大再編をやるというのは許せない!というのが現場の声です。
しかし、一人ひとりでは声を上げづらい現状もあります。だからこそ組合は、たちあがった職員の怒りを束ねて、現場の生の声としてあげていくことで、職場を変え、社会をも変えていくのです。
■今こそ、本当に勝負の時だ!
安倍政権は、2月12日の施政方針演説で「医療改革」と言いながら、医療・福祉の全面破壊と社会保障の解体、混合診療解禁へと、医療・福祉を金もうけの道具とし、矛盾を労働者へ押し付けていくことを国会で堂々と宣言しました。今や安倍政権の最大の攻撃の的は『医療・福祉と介護』であることがはっきりしました。政府予算案では、防衛費を大幅にアップし、一方で医療費・社会保障費を削減しています。だからこそ介護の民間への丸投げである「サービス付き高齢者住宅」やいずれは医療・福祉労働者までもタダ働きさせることができる『残業代ゼロ法』などの攻撃を開始しました。
草津病院の病棟大再編は、命よりカネ!と利潤のためにひたすら突き進む安倍政権下でかけられている攻撃です。組合は、病棟大再編絶対反対!を断固として貫いて闘ってきました。そして今、本当に勝負の時を迎えたのです。
■人事異動の強行は許されない
この病棟大再編で認知症病棟である5病棟は、今までより2 倍・3 倍の収益があがる精神科救急病棟となり、介護職を必要としない病棟となることがわかりました。これまでケアワーカーの夜勤があった病棟が、以後はケアワーカーを必要としない病棟になります。これは夜勤手当でやっと生活が成り立っている職員への賃下げ攻撃であり、家族も含めて、現実に生きていけないところへ追い込むものです。
■「面談で希望を聞く」はウソだった!
1月30日の団交で、平田事務部長は『現在、夜勤をしているケアワーカーの夜勤は異動があっても確保できるよう、最大の配慮をします。こちらから辞めてほしいとは思っていません。』と回答しました。その後、5病棟では、各人の「希望を聞く」と称して平田事務部長が「個人面談」をしました。しかし、この面談は個人の希望を聞くものではありませんでした。
その面談からわずか半月も経たずに、5病棟への残留を通告された職員と、夜勤ができる病棟への異動が告げられた職員に振り分けられました。これは介護職がその誇りを奪われるというだけでなく、職員の間に分断を持ち込む『強制配転・退職強要・解雇』攻撃そのものです。
■強制配転・退職強要-解雇をやめろ
私たちケアワーカーは、「屈してなるものか!」と怒りが込み上げてきます。このような不当配転に一歩も引かず闘う組合の団結の力に、経営側は脅威を感じているからこそ、卑劣なやり方を強行してくるのです。このやり口は、私たち闘う労働組合をつぶさなければ、病棟大再編はできないということを草津病院がしっかりと認識したということを示しています。
■病棟大再編の下で労災が発生
病棟大再編の下、面談が水面下で進められている間にも深刻化する労災事故は多発し、危機的現状は私の身にも降りかかってきました。去る2 月21 日、私は顔面右眼下に傷を負う労災事故に遭いました。今でも凹んだ傷痕が残っています。右眼に直撃を受けていれば眼球は破裂していたでしょう。
■労災事故の責任は経営にある!
昨年、団交でも明らかにしましたが、労災の原因は施設やハード面だけの問題でも、職員の過失でもありません。閉鎖病棟では、入院されている患者さんの動きを常に見守っている職員が必要です。私の勤務する1 病棟では慢性的な看護師不足です。全員が自分の眼の前の業務に集中してこなしていかなければならない今の状況では、今回のような事故は防ぎようがありません。病院の働かせ方が労災を引き起こしているのです。労働者の命を金もうけの道具とし、労働者を使い捨ての駒のように扱う、もうけ第一の考え方、安全に対しては、責任を取ろうとしない経営のやり方は決して許せるものではありません。
団交で経営側は『人員は足りている』『安全が崩壊しているとは思わない』と回答し、必要な人員補充を拒否しました。その結果が今回の労災の発生です。「今の草津病院には安全に働ける部署はない」のです。組合は改めて病棟の安全の崩壊に怒りを爆発させて、一切の責任は経営側にある、すべての職場に人員を補充せよ!と要求します。この怒りは組合員だけのものではありません。草津病院で働くすべての職員の怒りです。
■職場の団結に無限の力がある
一人ひとりの声は小さく思え、自分には変える力なんてないと思い、あきらめてしまいがちです。組合に入っていなければ私もそうだったでしょう。草津病院には元気に職場に根を張った組合があるのです。組合に入って国鉄集会・反原発集会、8・6ヒロシマ大行動などに参加し、みなぎるパワーを感じて、この闘いの場に集う仲間と共に、声をあげ、たちあがっている私が、ここにいます。
■組合で団結して生き抜こう!
労働の『労』は「労り(いたわり)」「労い(ねぎらい)」といった意味を持つ漢字ですが、本来の労働とは、共に働く仲間と労り合い、労って共に団結して生きることだと思っています。
私はこれからも一人ひとりの持つ力を信じて声をあげ、草津病院での闘いが国鉄
闘争と共に、医療・福祉職場の闘いの”先駆け”となるように頑張っていきます。