2016/10/01

宮原青年部長が韓国大邱を訪問、労働者大会に参加


「9月ゼネスト10月民衆抗争70年 精神継承全国労働者大会」に参加
サード配備反対で闘うソンジュでアピール

 10月1日、韓国・テグ(大邱)において、ゼネスト闘争の一環として民主労総が主催する「9月ゼネスト10月民衆抗争70年 精神継承全国労働者大会」が開催されました。この労働者大会への参加を軸に広島連帯ユニオンは宮原青年部長を訪韓派遣し、連帯して共に闘いました。
 8・6ヒロシマ大行動に参加してくれたテグのソンソ(城西)工団労組の招待で実現した今回の訪韓闘争は11月国際共同行動に向かって日韓労働者の国際連帯をさらに前進させるものとなりました。以下は、その報告です。

 10月人民抗争とは、1946年、当時米軍政に対して、9月にプサン(釜山)を皮切りにゼネストが爆発しました。テグでは労働者が長期ストをもちこたえ、米軍の武力鎮圧(数十名が死亡)を機にゼネストから民衆抗争へと転化していきました。長い間歴史的に隠されてきたこの闘いを現代に復権すると同時に、現在のゼネスト闘争からさらなる民衆総決起へと、その精神を継承しようという趣旨の集会です。
 米日帝国主義による朝鮮戦争が切迫する中で、46年当時の闘いの精神を継承しようという試みはものすごく時期にかなった闘いであると感じました。また昨年11月ソウルでの民衆総決起で権力の放水で重体であったペクナムギ農民が先日亡くなられ、集会スローガンも「殺人政権退陣させよう」というもので、そういう意味でも米軍による殺人から闘いが爆発した当時と重なるものがあります。
 民主労総テグ地域本部が先頭にたって、プサンやウルサン(蔚山)などの慶尚道の地域を中心に約7000人が結集。テグの中心部の太平路を埋め尽くしました。
 集会冒頭、私が広島連帯ユニオンの旗を持って参加していたら、主催者のはからいで他の団体代表とともに旗を持って登壇を勧められ、一緒に登壇。100本近い各産別、労組、地域本部の旗とともに登壇し、ペクナムギ農民に追悼、「イムのための行進曲」を歌うところでは思わず涙が出ました。
 前夜の交流会でも、「そもそも組合員も10月抗争のことをほとんど知らないのに、こんな集会をテグでやる意味があるのか」という意見に執行部が必死に討論する、こういう討論の中で開催されている集会です。集会中もステージ上の巨大モニターに何度も10月抗争の映像が流されます。70年前の話を単なる昔話にするのではなく、現在まさに闘っているゼネストの爆発に結びつけようという指導部の意識性、意欲がものすごく感じられ、それに現場が応えていく、非常に感動的な集会でした。

 夜は車でサードミサイル配備予定のソンジュ(星州)に移動し、サード配備反対のろうそく集会に参加しました。実は9月30日にサードの配備がソンジュから少し北にあるキムチョン(金泉)に最終決定したというニュースが流れた直後の集会でした。ソンジュの郡首は早速反対の旗を街から下ろすと言い始める中での集会でしたが、運動の側は反対の闘いを継続すると宣言。郡庁舎前での集会は住民と支援の「絶対反対」の団結力を示した集会としてとても高揚しました。
 何より、まず度肝を抜かれたのがソンジュの中心部の横断幕の多さ!
 道路の脇はもちろん、道路をまたいで道という道に横断幕が貼られ(まるで商店街のバーゲンのよう)、店の軒先、果ては店の中のトイレにまで「サード配備決死反対!」のスローガンが。まさに地域を挙げて反対している雰囲気が伝わってきます。
 集会でも発言はもちろん、非常に明るく、高揚感のある集会。配備の決定に対する動揺もあるかと思いましたが、そういうものは微塵も感じさせませんでした。歌や踊りも韓国の伝統的な歌などでサード配備を批判するなど現地の農民たちの気持ちにフィットした集会で、非常に楽しいものでした。
 集会では広島連帯ユニオンの発言の機会をいただきました。8・6ヒロシマ大行動で朝鮮戦争絶対反対、サード配備反対を決議したことを報告し、「1%の資本家の延命のための戦争だ」「日本の三里塚闘争や沖縄闘争と同じ闘い」「韓日労働者民衆の国際連帯で今度こそ戦争を始まる前に阻止しよう」「10・21国際反戦デーで民主労総のゼネスト、そしてソンジュ闘争と連帯し朝鮮核戦争阻止を広島でも闘い、11月国際共同行動を闘う」というアピールを行いました。ものすごい拍手を受け、共通の思いを共有していることを実感させます。発言は現地の動画やインターネット新聞でも紹介され、日韓連帯の画期的な地平となりました。

 他にも30日にテグ百貨店前の広場で開催された「ゼネスト支持!市民文化祭」企画で発言の機会が与えられ、鉄道、保険医療、年金労働者など民営化と闘う労働者を前に日本における民営化が安全崩壊と非正規化をもたらしたこと、動労千葉が絶対反対で闘って勝利を切り開いていることなどを訴えました。
 10月2日には、クミ(亀尾)の旭硝子の闘争現場を訪問。日本企業である旭硝子のクミ工場は外注化された労働者が低賃金と強労働に対して、組合を作って闘いを開始。それに対して旭硝子資本は外注契約を解除して170名全員を解雇、これに対する激しい解雇撤回闘争が闘われています。工場の目の前の路上に設営された闘争テントを訪問。実は5月に一度行政によって撤去されたそうですが、再度実力で「さらに堅牢な材料で」再建したとのこと。昨年、訪日闘争を闘い、動労千葉が支援した関係で、動労千葉のことはよく知っていました。解雇撤回闘争の財政問題の話の中では、動労千葉物販を紹介して日本でも同じ闘いをやっていることを話しました。組合は毎日50名単位で行われるミーティング(朝礼。3交代なので日に3回ある)に突入して組合加入を訴える中で結成。最近も180名が組合に新規に加入したとのこと。「きちんとやるべきことをやっていれば必ず組合員は増える」という言葉に原則的なオルグの重要性を改めて実感しました。
 また、案内してくれたソンソ工団労組の仲間が自分たちのソンソでの闘いの前進のために旭硝子の支会長に直接来て話をしてほしいと依頼。「まさにこれが地域連帯だ」と感じました。

 3日間の訪韓闘争を通して、日韓労働者連帯をさらに深化させるとともに、11月国際共同行動の前進に向けての巨大な一歩を築けたのではないかと思います。終始お世話をしてくれたソンソ工団労組の仲間やテグの鉄道労組や大学非正規職労組の仲間に強く感謝するとともに今後とも広島連帯ユニオンは動労千葉とともに日韓連帯の前進のために頑張っていきたいと思います。トゥジェン(闘争)!




10・1 韓国ソンジュ サード配備反対集会 広島連帯ユニオンのアピール


 いま世界で最も核戦争の危機が高まっている場所こそ、朝鮮半島であり、東アジア地域です。私たちは、8・6ヒロシマ闘争で、米日帝国主義による朝鮮半島での核戦争を絶対に阻止するということを第一に掲げました。そしてソンジュの労働者、農民、学生、全住民の「サード配備決死反対!」の闘いに心から連帯し、共に闘うことを決議しました。
 朝鮮半島での核戦争の危機をつくりだしているのは、飢餓と貧困にあえぐ北朝鮮ではなく、世界最大の核軍事力を有するアメリカと、安保戦争法を制定し戦争放棄の憲法をも変えようとしている日本の帝国主義です。そしてこの米日の帝国主義とつながっているパククネ政権です。米韓日の戦争・核戦争の策動に対して反労働者的な核実験とミサイル開発で対抗し、ソンジュのサード配備阻止闘争をはじめ労働者民衆の反戦反核の闘いに敵対し、核戦争の危機を促進している北朝鮮のキムジョンウン体制も断罪されなければなりません。
 今、朝鮮半島で切迫している戦争の本質は何でしょうか。労働者を解雇し、非正規にし、生きていけなくさせ、これに労働者が抵抗すれば弾圧され、農民が労働者といっしょに立ちあがったら殺されるという現実。資本の利益のために労働者や子どもたちの命が危険にさらされ、奪われてしまうという現実。このような日常的現実が、韓国にあり、日本にあり、アメリカにあり、全世界にあります。このような現実を強制している国家が、私たち労働者や農民、住民の命と安全を守るために、ソンジュにサードミサイルを配備させろ、沖縄に基地をつくらせろと迫り、警察を差し向け、暴力までふるってくる。どこまで恥知らずなのか! ようするにアメリカや日本の安倍政権、そしてパククネ政権が準備している戦争は、労働者や農民を搾取し、収奪し、抑圧し、弾圧し、1パーセントの資本家たちだけが利益を独占する体制を生き延びさせるためのものでしかないということです。
 パククネ政権は「北朝鮮の核実験による安保危機と国際情勢の急変」を叫び、ソンジュのサード配備反対闘争を解体しようとしていますが、郡守(首長)らの屈服を許さず、絶対反対を貫くソンジュ住民の闘いは、日本の国策による農地強奪に半世紀以上も絶対反対で闘っている三里塚闘争(成田空港反対闘争)や、沖縄の反基地闘争につながる偉大な闘いです。
 日本の安倍政権は、独占資本救済のための方策が尽き果て、労働者への搾取を強めるため「働き方改革」という労働改悪・労働法制解体(残業代ゼロ、8時間労働制解体、総非正規化)を推し進めています。もう一方で、戦争放棄の憲法を変えて戦争に突き進もうとしています。北朝鮮の核実験に対する制裁を叫び、朝鮮戦争を想定した米軍との共同演習を強化しています。沖縄への新基地建設を警察の暴力で強行し、基地建設用重機を自衛隊ヘリで運ぶことまでやっています。来年1月には広島から40km西にある米軍岩国基地に最新鋭のステルス戦闘機F35の配備が開始される計画です。日本でもサード配備検討という報道もあります。すべてが、米日韓軍事体制による朝鮮核戦争の準備としてあります。絶対に許すことはできません。
 戦争によって労働者民衆の闘いを圧殺し、危機に立つ資本主義体制と新自由主義を延命させようとする安倍政権とパククネ政権を、韓日労働者民衆の団結で共に倒し、朝鮮での戦争・核戦争を今度こそ始まる前に阻止しましょう。
 私たちは10月21日の「国際反戦デー」において、東京、京都、広島などで朝鮮核戦争絶対阻止、民主労総ゼネスト連帯、サード配備阻止闘争連帯を掲げてデモを行います。そして11月6日東京で、戦争と労働法制解体に反撃する全国労働者集会を、民主労総と動労千葉など日本の闘う労組の共同主催で開催し、12日にはソウルでの民衆総決起闘争にも参加します。韓日労働者民衆の国際連帯でサード配備とすべての戦争準備をやめさせ、朝鮮核戦争を阻止する闘いを、現在の労働組合の最重要の課題として取り組むことを約束し、あいさつとします。(熱烈な拍手)

映像はこちらから(宮原青年部長の発言は50分頃)
https://www.youtube.com/watch?v=N1Tp_PxUovs

ニュース民でも報道されました。
http://www.newsmin.co.kr/news/13679/

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