2012/03/23

3・19草津病院支部、12春闘『要求書』を提出

3月19日、草津病院支部が12春闘『要求書』を病院へ提出しました。
今回の要求は、支部組合員の意見と職場の声が盛り込まれたものとなっています。
病院が文書回答に「2週間の時間をくれ」とのことで、回答期限は4月2日となりました。
以下、『要求書』を転載します。

医療法人社団更生会 佐藤恒男 理事長 様
                               2012年3月19日
広島連帯ユニオン
執行委員長 鈴木範雄




要 求 書

 「人事考課制度」による労務管理が、職場の要員不足と過重労働、医療事故や労働災害を引き起こしていることを真剣に認識すべきである。この間職員の労働条件はすさまじく悪化させられた。労働条件の抜本的改善のために、「12春闘要求」として次の各事項について要求します。

 3月31日までに組合へ文書で回答されたい。

(1)本年3月「年度末賞与」を一律7万円支給されたい。

 昨年(2011年)冬季賞与は、「経営不振」を理由にした初めて大幅に賃下げであった。ところが年初より「報奨金」なるものが実施された。私たちの職員への賃金として当てられてしかるべき資金が、「紹介手数料」のような用途で用いられることは許し難い。最低限のこととして、例年通りの賃金(給与・賞与)を支払え。
 新たな人材の確保についていえば、現に職場で働く職員の賃金を引き上げることによって、そのような労働条件の下で、草津病院の「求人」に応じる人が現れ新たな職員の雇用が実現できるのだ。昨年(2011年)冬季賞与の減額の補填分も含めて、年度末賞与として一律7万を円支給されたい。
 なお「年度末賞与」は、経営側の恣意的な判断で支給されるものではない。今後、「年度末賞与」をどのように考え取り扱うかは、更生会と組合との検討・交渉課題である。

(2)「経験給」の一律3万円の賃上げを実施されたい。

 草津病院を精神科救急病院として機能させるために、業務の質と量が増大し、緊急に対処しなければならない業務が頻発している。増大する業務量をこなすために労働密度は高くなり、職員のサービス残業で対応している現状がある。実際の業務に必要なだけの要員の配置(=増員)を行い、十分な賃金を支払え。
 従来より精神科病院は、総合病院などと比べて賃金水準が低く設定されてきたが、救急病院にふさわしい賃金レベルに引き上げよ。新人職員から「給料は安いから仕事を覚えたら他所に変わりたい」と言う声が上がり、実際に熟練してきた頃に退職している。賃金水準を引き上げ、経済的に安定した生活の保障を図れ。「経験給」の一律3万円の賃上げを実施されたい。

(3)医療事故や労働災害を引き起こさない安全な労働のために、各部署で夜勤要員を1名増員されたい。

 救急病院として機能していることや昨年の「認知症治療センター」の開設などの業務の拡張で、症状が重症化している患者や看護や介護の観点から濃密に関わらないといけない患者が増えている。また実際に患者の重大な事故や労働災害も多数報告され、経営側からも各部署に注意喚起された。
しかし、職員が注意して仕事をしているだけでは重大な事故はなくならない。特に職員が多忙な業務で患者への対応が手薄になるA勤帯や夜勤帯はきわめて危険であるとの声が上がっている。職場での安全な労働のために、夜勤要員を1名増員されたい。

(4)過重労働をなくすために、各部署の現状の職員数に加えて6名の増員を行なわれたい。

 業務量に対する要員不足は限度を超えている。夜勤業務だけでなく日勤帯でも、病院が設定している普通程度の日常業務においてさえ所定労働時間には到底終わらない。要員不足は明らかである。さらに病棟で感染症の発症やその対策などが始まれば最悪の状態となる。良質な医療や看護を行うためには、十分に配置された職員数とその協力体制が必要なのである。
職員の急病や退職者が出ただけでも業務が回らなくなり、正当な有給休暇さえ取得することが厳しい現状がある。これは病院の要員計画が根本的に間違っているからである。広島の西部地区では、草津病院のことを「病院は一流、職員の待遇は三流」と言われている。労働条件を引き上げて職員を確保せよ。

(5)嘱託職員の酷使を改め、賃金を常勤並みとされたい。

 嘱託職員制度は、経営側からみれば、熟練労働者を低賃金で雇用でき、いつでも「雇い止め」で「首が切れる」非正規雇用制度である。組合はそもそも非正規雇用制度に反対であるが、草津病院の現状では嘱託職員にも常勤職員並みの業務が与えられ、なおかつ賃金は8割となっている。業務内容、賃金ともに改善されたい。

(6)職場に過重労働と労働者への不当な管理を持ち込む「人事考課制度」は廃止されたい。

 「人事考課制度」は、労働者に賃金以上の犠牲的労働を強要する制度である。職場に過重労働やサービス残業をはびこらせ、自宅へ仕事を持ち帰らせ、休日に無償で仕事をさせている。労働者が本来持っている助け合い教えあう働き方がズタズタに破壊される。
人事考課のための書類作成や面接で膨大な時間を取っているが、本来の業務からはまったく無用なことで、労働者に圧力をかけているだけである。人事考課の「評価者」である主任が、毎年次々と辞めいていく現状が、この制度のデタラメさを象徴している。「人事考課制度」はただちに廃止されたい。

(7)「トレペンネ」のパンの職員への販売について、方法を改善されたい。

 「トレペンネ」や「ワークネクスト」は、病院が事業として選択し実施しているものである。就労支援事業として、精神科医療・福祉の枠内で行われるものであって、病院はそれによって診療報酬を得ている。職員の善意やボランティアによってなりたっているものではない。職員の休憩室まで来て購入を求めるようなことは明らかに行き過ぎである。
企業が収益を上げるために自社の職員に身銭を切らせることは大きな社会問題となっている。

 それは例えばJRで職員に多額なオレンジカードを買わせたりイベント旅行に行かせたり、また郵便局で職員に多額な年賀ハガキを自費で買わせたりしていることである。このような点に留意し「トレペンネ」のパンの職員への販売について方法を改善されたい。
                                       以 上

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