2018/12/27

「公平な人事考課」などありえない|草津病院労組

⼈事考課制度の実態を暴く!②―11・20蒐場看護部⻑の証⾔

「公平な人事考課」などありえない
デタラメな「評価」はあらかじめ決まっている!

 草津病院労働組合は、3名の組合員が原告となり草津病院に対して、広島地方裁判所へ賃金賠償裁判を起こしています。この裁判は、人事考課制度によってこれまで不当にカット(評価の2段階引き下げ)されてきた賃金の支払いを求めている裁判です。2018年11月20日、この裁判の病院側証人として蒐場(ぬたば)看護部長が法廷に出てきました。この中で人事考課制度の実態が明らかにされました。前回に続いて、蒐場看護部長の証言を紹介します。

「公正な考課」のための修正者・蒐場看護部⻑

 今回、看護部長が法廷に出てきたのは、金光美智子組合員が「周囲に悪影響を与えるD評価の労働者」であることを証言するためでした。金光組合員は2016年当時1病棟で勤務しており、この年だけ『人事考課表』を提出したら、不当にもD評価を付けられていたからです。看護部長は、
「D評価やS評価の人は少ないので正しいかどうか注意して把握するようにしています。」
「(自分は)評価の最終確認者で、考課者である課長にもう一度検討をするようにと指示を出します。」
などと証言しました。看護部長が納得する結果が出ないと課長や主任に「やり直し」をさせると、あらかじめ予断を持って、看護部長(理事会)が、DやSにする職員を「選別している」ことを、明け透けに語ったのです。

看護部⻑ら管理職がランチタイムに雑談で「人事考課」!

 蒐場看護部長は、金光組合員のことを熟知している根拠として「第1病棟や第2病棟の課長とは昼食を一緒にすることが多く、所属する職員の話をよく耳にします」「金光さんのことも結構、話題に上がります」と証言しました。ランチタイムに評価談義をしているとは、驚きです。しかし実際には、看護部長は評価のチェックをするどころか病棟課長から報告を聞くだけで、看護記録やクレーム報告から確認するだけです。職員本人と面談しないのかと問われると、何と「課長・主任を信じております。」という言葉を繰り返しました。
 実に無責任な「最終確認者」です。自分は職員と向きあわず現場の管理職にすべて丸投げしているのです。これが、「最終確認者」の真の姿なのです。

評価は、課⻑・主任の"えん魔帳"が根拠!

 組合側弁護士から「(金光組合員の2年前の仕事の状況を)具体的に述べられているが、何を基に陳述書を作成したのか」と追及されると看護部長は、
「課長や主任が、日々あったことを日記のようにつけているんです。それをスタッフ一人一人に、そういう日記のようなものがありまして、何月何日、遅刻何分とか、何月何日、例えば買い物に行って間違って購入して、患者さんから怒られたとかっていうことを、日々日記のようにつけてるものがありまして、それを基に私(蒐場)が作成しました。」と言いました。
 何と!課長や主任が、職員ひとり1人のミスについて、こと細かくチェックしているというのです。これは"えん魔帳"ではないですか!あんなに苦労させられる「目標」や「面接」や「自己評価」ではなく、実際の評価は、課長や主任が職員に一方的にメモっている『日記』が根拠だったというのです。しかもこれは本人には知らされません。客観性のかけらもありません。毎回、悔しい思いをさせられる面談や『人事考課表』とは、何なのでしょうか。本来の業務に回すべき時間を割いてでも行なわれる人事考課のためのぼう大な作業は、少なくとも職員や利用者のためではないことは明らかです!本当に怒りが湧いてきます。
 また、金光組合員の評価の各項目を今回、裁判所に文章で出したことについて、「この裁判の前に課長や主任から報告してもらい、… 私が文章を考えて(陳述書を)書きました」と証言しました。組合との裁判にあたって、草津病院経営のために人事考課制を維持する目的で、課長・主任のメモを基に看護部長が経営側の意向に則して作文したということを自白しました。まさに人事考課資料は、このように「悪用される」という見本です。

デタラメな⼈事考課制度をなくし、団結して働ける職場に!

 2018年3月、中央労働委員会は、草津病院の人事考課制度の運用が不当労働行為であるという命令を出しました。この命令は、組合が人事考課制度の廃止を求めて、組合員が『人事考課表』を提出しなかったことに対して、草津病院が人事考課を2段階下げて「D評価」を付けたことは不当であると判断しています。この命令に草津病院は、追い詰められているのです。これは現場の怒りを束ねて組合がとりくんできた勝利です。
 組合は、職場で私たちを日々苦しめている人事考課制度を廃止に追い込み、団結し安心して働ける職場にするためにたたかいます。
 労働者を分断し、酷使するための人事考課制度は要りません。ともに団結して職場を変えていきましょう。組合への ご意見や質問をお寄せ下さい。

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