2014/07/03

『医療の現場』No.72を発行|草津病院支部

■職場の安全崩壊と病棟再編攻撃に労働組合の力で反撃しよう!

『医療の現場』No.72|草津病院支部

患者の死亡事故が発生

第1回団交の前々日、閉鎖療養の4病棟で患者の死亡事故が起こりました。5月13日の午前3時ごろの夜勤帯に、4病棟で患者がベッドの高さ調節用の留め金に衣類が引っかかって亡くなりました。床で寝ていた患者の衣服が、身体より少し高い位置にある出っ張りに引っかかって窒息したと思われます。

患者が自宅から飛び降りる事故

同じ4病棟で5月16日には、自宅アパートへ母親と職員3人で同伴外出した30代の女性患者が、アパート4階のベランダから”飛び降り”をして、全身数カ所を骨折するという事故が起こりました。

事故続発の原因は病棟再編・合理化!

4病棟で連続的に事故が続発しています。一昨年から昨年にかけて8病棟が放火事故や殺人未遂事故によって安全崩壊したように、草津の救急病院化のしわ寄せが、今度は4病棟を襲ったからに他なりません。救急病院化の矛盾は安全崩壊として全病棟に拡大しているということです。当該の職員に一切の責任はありません!

続発事故をいなおる「8病棟の再々編」

8病棟再々編(合理化)問題は、病院全体に関わる合理化計画です。8病棟の60床の開放病棟を半分を閉鎖病棟にするという大合理化です。
 6月4日の看護部課長会で提案されたものが、各病棟に伝達されました。この根本的な労働条件の変更・病棟改修を含む大合理化を、草津病院の経営は「案として提示しただけ。決定ではない。プランであり職員の皆さんの意見を聞きます」(6/13団交での回答)と言いました。閉鎖と開放が混在するという非常に危険な病棟構成に、多くの職員が危機感を持っています。

病院の生き残りをかけた再々編攻撃

この新たな合理化計画の目的は、言うまでもなく”金儲け”です。救急病棟で受け入れた患者の6割を3か月以内に退院させなければ診療報酬の基準を満たせなくなる(減収につながる)ので、そういう患者を早めに転棟させてしまおうということです。これまでも病状の不安定な患者を救急病棟から閉鎖病棟へ玉突き転棟させてきました。「最後の閉鎖病棟」として4病棟を使ってきたのですが、看護職員が療養基準の4病棟では5月に重大事故が発生したように、もはや対応できる力はありません。最後には事故や事件が多発し、事故が公になれば、病院は「職員の自己責任」として事故の責任を現場に転嫁してくるのは間違いありません。
 組合は、これらの一連の事故は、安全問題が破産した新自由主義経営の合理化攻撃としてとらえ、反合理化・医療安全闘争として、労働組合の団結の力で反撃していきます。

「解雇は不当!撤回を」と宣言

組合は、5月15日に第1回団交、6月13日に第2回団交をユニオン春闘として、支部の団結でやり抜きました。6月13日の第2回団交では、第1回に続いて、インフルエンザに罹患し休業を命じられたK組合員が起ちあがり、現場の怒りで経営陣を追及しました。
 また中山崇志支部委員長が団交に参加しました。そして経営の「何が不当なの?」というふざけた質問に対して「不当な職場での逮捕から始まって窃盗罪のデッチ上げから裁判の過程、一切の弾圧が不当だ!」と断言しました。
 草津病院経営は、2010年に組合への刑事弾圧で組合壊滅を狙ってきましたが、2014年の現在、組合は組合員−職員との団結を守り抜いて、草津病院の新自由主義経営と全面対決し抜いています。職員を危険にさらし、安全をないがしろにする利益第一主義の経営施策と断固として闘い、職場の安全を守ります。

インフルエンザ罹患問題を職場の安全を取り戻すために闘う

第2回団交では、インフルエンザ休業補償問題を、合理化反対・医療安全闘争として、職員の感染症の予防や検査、治療について、草津病院の労働者の安全を省みない経営方針を暴きました。
 K組合員の休業補償に関しては、経営−管理職と病棟医が、休みを命じておきながら、その事実をまげて”本人の自主的な治療休暇”と言っています。
 経営は、インフルエンザの疑いのあったK組合員に対して「よその内科を受診するように」と指示した事実を隠し「よそとは言っていない。うちで外来受診してもよかったのに、自分で他の病院を受診したんでしょう?」等の言い逃れをしました。もし、本当にインフルエンザの罹患を最小限度にしようとするのなら、病院として積極的に外来受診を指示すればよかったのです。しかし現在の病棟が、そんな雰囲気にないことはすべての現場の職員は知っています。
 この問題は、インフルエンザのみならずあらゆる感染症に対する安全問題としても、職場の労働条件を守るためにも、決して看過できるものではありません。ましてや”一職員・一組合員の問題”ではなくすべての職員の直面する課題です。
 組合としては、今後、労基署申告なども含めてあらゆる手段で闘います。

職場の声を組合に集中しよう!団結して闘おう!組合に加入しよう!

この2回の団交を通して、春闘要求書の賃金や労働時間、要員に対する組合の要求に経営側は「ゼロ回答」でした。職員アンケートに書かれていた切実な要求(評価制度反対、残業を減らす、安全を守る等)さえ「現状は問題なし」としたのです。職場労働者の切実な要求の中に合理化攻撃に対する怒りがあふれています。
 組合は、この声と固く結びついて、経営の労働条件改悪、安全破壊との闘いを粘り強く取り組んでいきます。職場の声を組合に集中して下さい。そして共に団結して、経営側の横暴と対決して、生き抜いていきましょう!

 第3回団交が7月31日(木)17時30分に開催されます。安全崩壊問題、8病棟合理化問題をも議題とした団交です。草津病院で働くすべての仲間の皆さん!職場の要求の集中と団交への結集をお願いします!

■安倍政権の戦争政治絶対反対!病院民営化と医療の産業化を許すな!

安倍政権は7月1日、官邸前の数万人−全国の大多数の働く仲間の怒り、反対の声を無視して、戦争に大きく踏み出す「集団的自衛権の行使容認」を閣議決定しました。命を守る医療・福祉労働者は絶対に反対です!
 その安倍政権は4月に、65歳以上75歳未満の高齢者の医療費自己負担を2倍にしました。また総合推進法案(地域医療・介護総合確保推進法案)では、国が都道府県に法的権限を与え、大学病院を中心とする「地域医療構想」を行政に作らせます。「機能分化」と称し、看護師配置が厚い重症向け急性期病床36万床のうち約9万床を慢性期病床に転換します。患者を早期に病院から追い出し在宅医療にして、労働者家族の負担を増やそうとしているのです。まさに”介護地獄”そのものです。
 また都道府県を先兵に国公立病院を統廃合し、将来完全に民営化しようとしています。「公設民営」や「公務員並み身分」を残している労使関係を解体し、持ち株会社の参入を狙うものです。アベノミックス・成長戦略の改訂版では、都道府県ごとに医療費削減の数値目標を設定し競わせるとしています。また持ち株会社(医療・介護を金融市場に直結し、営利化)やヘルスケアREIT(不動産投資信託=投機を医療分野に持ち込む)に医療を明け渡そうとしています。これが、いかに職場の安全を崩壊させるものなのか、草津病院をみれば明らかです。
 安倍首相は”医療を成長産業に(医療で金儲けを)”と叫び、混合診療の大幅拡大を打ち出しました。これは太平洋戦争敗北後に確立された『国民皆保険、診療報酬による価格規制、紹介状なしの大病院受診自由』という原則の破壊そのものです。全国的にも、すでに岡山大学がその最先頭で導入を図ろうとしています。医療労働者を先頭に、全労働者と地域の仲間の団結した力で医療の成長産業化を阻んでいこう!安倍政権を打ち倒そう!

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