2015/01/09

『医療の現場』No.83発行|草津病院支部

病棟大再編 絶対反対!強制配転・賃下げ許すな
職員は病院の”将棋の駒”じゃない!

『医療の現場』No.83(2015年1月9日)

 昨年の12月5日に公表された「病棟再編計画」に多くの職員から疑問や不安の声が上がっています。計画として病棟や病床数の変更が明示されているにもかかわらず、そこで働く職員数が公表されていないために不安を抱く職員が多くいるということです。その上に、病棟の改装工事などについては着工時期も明らかにされていないのです。
 発表された計画を率直にみれば、ひとつの認知症病棟の准看護師とケアワーカーの「行き場がない」ということと、替わって救急医療を担う正看護師が多数必要となることは誰の目にも明らかです。組合との団交で経営幹部は、「職員への『説明会』は現段階では考えていない」と言いました。「病棟再編計画」は院長や経営幹部、一部の管理職の間での「専権事項」にされています。

「今の病棟では、働くことができない者はどこへ行かされるのか」

 …こんな不安を抱えながら日々働くのは、大変なことです。培ってきた経験が活かせるかどうかもわかりません。本当に怒りが湧いてきます。残るか、移動するのかで職員どうしが「疑心暗鬼」に陥り、団結が破壊され、個々人に分断されます。こんなことでは安全に働くことができません。自分の今後の処遇が判らない-こんな理不尽なことがあるでしょうか!職員は将棋の駒ではありません。数と能力だけで右から左、あちらからこちらへと動かせるものではないのです。

認知症病棟は、「草津病院の柱のひとつ」ではなかったのか!

 草津病院は、2000年の介護保険事業の開始に合わせて、現在の南館を新築オープンさせて、認知症治療の専門病棟を2つの病棟で開設しました。また認知症対応のデイケアも始めました。認知症病棟では、車イスや身体介助の必要な患者が多数を占め、多忙な業務を看護師とケアワーカーが協力して担ってきたのです。草津病院では、認知症治療の看護・介護が大きな部分を占めてそこで多くの職員が働いてきました。認知症病棟で働くことを希望して、草津病院に就職した職員もたくさんいます。
 しかし、草津病院は医療制度改革・再編の波の中で、認知症デイケアも閉鎖して、2009年に精神科救急を開始しました。その後、病院全体の過重労働の中で多くの事故や労災が起きました。その根本的な問題解決もみないまま、今また病棟大再編で精神科救急を大々的に拡大しようとしているのです。これでは、本当に安全が崩壊してしまいます。これは危険極まりないことではないでしょうか。
 製造業のように、たとえばマツダの自動車工場の生産ラインのように、新車を売り出すたびに製造ラインを変えるようなやり方を医療・福祉の分野にもってきたら、たちまち職場の安全が崩壊します。看護師やケアワーカーをはじめ、多岐にわたる職員が連携して仕事をこなす医療・介護の現場では、生産ラインのようにはいきません。医療・介護は、人間が人間のケアをして、人間の健康を回復するという仕事です。有資格者の数を集めるだけでは成り立たないことは明らかではありませんか。

なぜ病棟の「職員配置数」を公表しないのか

 それは、病棟の職員配置数を発表すれば「行き場のない職員」の数が具体的に明らかになるからです。
 団交で経営側は「解雇はしない」「賃下げもしない」と言いきりました。管理職も各職場で、看護師やケアワーカーにそのように説明しています。病院は、人事について管理職の会議で検討を始めています。経営側は、解雇など「雇用問題」が爆発しないように慎重に情報を小出しにしています。それは、疑問や不安の中で、「自主的に退職」したり、「離職」する職員が出ることを密かに期待しているからです。経営は、労働者が団結することを、最も恐れているのです。だから、組合にまず「計画」を提示していながら、「まだ何も決めていない」と言っています。組合をつぶして、病棟大再編をやろうと考えているのです。
 私たちは労働組合として、草津病院の430名の職員の立場に立って、共に団結して雇用と賃金を守り、職場の安全を取り戻すために、職員の先頭で闘います。
 職員各々が個々、バラバラにされて個別対応させられ、管理職との面談ですべてが決められていくという方式にさせてはなりません。現場の働く仲間が、一つに団結して労働組合として登場することです。団結して共に病棟大再編と闘いましょう!

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