2016/11/03

三井研削砥石と2回の団体交渉を行ないました

三井研削砥石と2回の団体交渉を行ないました

【準社員規定に反して19年間正社員登用せず】

 広島連帯ユニオンの組合員Tさんは、今年の春、三井研削砥石を定年退職しました。Tさんは当初アルバイトとして採用されましたが、1990年に準社員になりました。三井研削砥石の準社員規定には「準社員として一年経過後に適正があれば正社員に登用する」という明文の規定があります。
 しかし会社は正社員の登用条件として「夜の接待」を要求してきました。当時Tさんには小さい子供さんもあり、「夜の接待」は出来ない旨回答したところ会社は正社員に登用しませんでした。その後、19年間準社員のままで正社員登用はありませんでした。
 2012年に部長に問い但したところ、強権的なパワハラ発言の中で「あなたを正社員にするなという申し送り状がある」ということを言いました。その時Tさんは本当にショックを受けました。
 その後、2008年の雇用更新(1年での雇用更新)時に、雇用更新に応じることを拒否しました。すると本社から管理者が飛んできて「来年は正社員にするから」と言って雇用の更新を求めてきました。しかし三井研削砥石の規定では55才になると賃金が3割カットされます。Tさんは入社以来、正社員に19年間登用されずにいて、正社員登用後もすぐに55才になったので、ほとんど正社員に比べて3割カットのまま働いてきたのです。

【団体交渉拒否で労働委員会闘争】

 今年の春、Tさんは広島連帯ユニオンに加入しました。ユニオンは直ちに組合員通告と団体交渉の申入れを行ないました。会社は口先では「団体交渉に応じる」と言っていました。しかしユニオンが「勤務である広島での開催」を要求したことに対して「本社がある埼玉で」「中間地点である名古屋で」「本州最西の支店のある大阪で」と変遷させ、実質的な団体交渉拒否を行ないました。
 そこでユニオンは「団交拒否の不当労働行為」を申し立てました。その結果、労働委員会の調査の日に合わせて広島での団交が2回開催されました。広島で団交が実現出来たという事実は、三井研削砥石が開催地の理由としてきたことが全てデタラメであったということを表わしています。

【許せないゼロ回答】

 ユニオンは
1)正社員登用までの正社員と準社員の賃金の差を支払え(概算で「22,100,000円(2千2百拾万円)」。
2)U部長によるパワハラ発言の調査
3)未消化となった59日分の年休の買取
などを求めて団体交渉を行ないました。

 会社は、
1)については、支払いの義務はないので支払わない
2)は調査したがそのような事実はない
3)年休の買取は行なわない。年休取得の申請がなっただけで、会社は年休について拒否したとはない。
と回答しました。会社は正社員の登用の権限は現場の責任者にあり、本社は上申書が上ってきていないので責任はないと言いました。しかし、準社員規定には1年後と明文規定があり、尚かつ三井研削砥石の準社員はT組合員一人という状況でした。それが19年にわたって毎年毎年正社員の登用はしないと判断し続けたと言うのです。あり得ないことです。会社は説明がつかないのでただただ正社員登用は専権事項であると繰り返すだけでした。
 パワハラを調査したと会社は回答しましたが、聴取りを行なったのは団体交渉員の2人です。当事者同士が行なったものでパワハラの調査にはなっていません。しかも「本人が言っていないと言うのでパワハラはなかった」という一点張りでした。Tさんはパワハラを受けたその日に本社に連絡を入れています。団体交渉員のひとりは「Tさんから連絡が来たので正社員にするなという申し送り状を探したがなかった」と答えました。本来なら、その時点で調査する義務があったにもかかわらず放置をしてきたということです。
 T組合員は年休を59日流しました。三井研削砥石では準社員は退職時に年休を買い取るという規定がありました。「会社は正社員にはそのような制度はない」「年休を申請しなかったのであり、会社は時季変更などしていない」と回答しました。しかし、正社員になったら買取制度はないとの説明は一度もされていません。給与明細には準社員のとき同様に残日数が表記されています。T組合員はひとりで勤務していた関係で、簡単には年休が取れない環境でした。しかも、昨年の9月に本社に年休のことで相談もしていたのです。会社は団交で「Tさんが年休を取るとは考えていなかった」と言いましたが、年休など流れて当然とうい態度を取り続けました。

【闘いはこれから】

 T組合員は色々と既存の組合にも相談してきました。しかし組合は全く取り上げませんでした。そこで定年を前に連帯ユニオンに相談することになったのです。
 現在、安倍政権進めようとしている働き方改革=全員非正規・低賃金の攻撃の先取りとも言える攻撃です。絶対に許せません。既成の労働組合の解体的状況が安倍政権の労働政策の大改悪を許してきているのです。今こそ労働組合を甦らせるときです。
 共に闘おう!

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