交通局廃止条例採決弾劾
闘いはこれから!
闘う組合とりもどし首切り阻止
声明
2011年12月21日
広島連帯ユニオン・呉交通局支部
(1)12月16日の呉市議会本会議において、交通局廃止条例の採決が、まともな審議もされず(わずか20分!)強行された。呉市交通局の廃止=民営化は、小村和年・呉市長と結託した広電資本による市営バスの私物化である。私たちは民営化絶対反対を貫き、市営バス民営化・首切り阻止へとことん闘い抜くことを宣言する。
(2)地域のかけがえのない足であり、市民の共有財産である市営バスを、「赤字だから」と廃止し、広電という一私企業に丸投げ(しかも数十億円もの補助金付き)するというのは、公的責任の放棄だ。地方の高齢化が進む中、公営交通の役割はこれからますます大きくなるのは明らかである。にもかかわらず小村市長と大半の議員は「赤字だから仕方ない」と、まともな議論も努力もせず、70年続いてきた市営バスをさっさと切り捨てたのだ。どうやって公営交通を守っていくかと、必死になって駆け回るのが市長や議員らの役目ではないのか。それを「自分たちにはできませんので、広電さんよろしく」と放り出したのだ。これを小村与党の議員らは「大英断」などと自画自賛し、早々と年末年始の休みに入っている。こんな無責任な行政、議会があるか! ほんとうに腐りはてている!
(3)結局この民営化とは労働者の首切りと大幅賃下げでしかない。だが、「赤字の責任」は、現場でハンドルを握って早朝から深夜まで働き、地域の足を守ってきた労働者にはいっさいない。にもかかわらず、小村市政は、バスも設備も路線も補助金付きで広電に「移譲」しながら、労働者はいったん全員解雇するというのだ。現在57人が再就職先がなく、広電に再雇用の人ではローンなどを抱えながら年収がいきなり半分、あるいは3分の1になる人もいる。労働者の首を切り、賃金を激減させ、さらに血税で企業のもうけを保障する——これが「民営化」の正体だ。
そして、もうけ(そもそも公共交通で「もうけ」を出すというのはもってのほかだ!)が出なくなれば路線も縮小・廃止される。事実、「2年後には、広電が路線を縮小・廃止するのは自由だ」と、市当局は答弁している。民営化の甘い汁はすべて資本が吸い取り、一切の犠牲は労働者と地域住民に押しつけられるのだ。
(4)民営化にあたってはつねに「公務員は給料が高すぎる」「身分が保障されすぎている」などという宣伝が行われてきた。だがこうやって労働者同士を敵対させ、けおとしあいをさせて、笑っているのは誰か。「1%」の資本家、経営者たちだ。
「赤字なら労働者は首を切られても、賃下げされても当然。増税も年金カットも当然。しかし資本家のもうけには絶対に手を出してはいけない!」——これが破産した資本主義を守ろうとする大阪の橋下市長や、彼と考え方を同じくする呉の小村市長らの言いぶんだ。これが「新自由主義」といわれるものだ。このような労働者だけに犠牲を押しつける社会のあり方を根本から変えなければならない。
(5)そもそも今日のような「1%」だけがもうけ、「99%」が貧しくなる「格差社会」は、どうやってつくられたのか。非正規の低賃金労働ばかりの青年の状況、地域の崩壊や社会保障の解体、安全の崩壊はどうやって進んできたのか。民営化による公的部門の解体、規制撤廃、労働組合の破壊によってだ。その突破口は、国鉄分割・民営化だった。そして社会保険庁の解体と525人の分限免職は、本格的な公務員労働者の大量解雇、非正規化に道を開くものであった。
今回の呉市営バスの民営化は、これに続くものである。民営化で職場そのものをなくし、いったん全員解雇して選別再雇用するというやり方は、国鉄や社保庁と同じだ。しかし、雇用について何らの法的枠組みもなく、雇用条件も従来の水準を一切無視し、全員を新規採用の賃金にまで切り下げるというのは、これまでにない。こんな攻撃を許すなら、360万の全公務員をはじめすべての労働者にもっと激しい解雇・賃下げの攻撃がやってくるのは明らかだ。呉市営バス民営化阻止、解雇撤回の闘いは、官民問わず全労働者の利害がかかった闘いである。
(6)民営化は現場の労働者が反対して闘うかぎりできない。これまで民営化が進んできたのは腐った労働組合幹部が全面協力し、労働者を売り渡してきたからだ。都市交・呉公営交通労働組合の幹部らは、当局と民営化に協力する「協定書」を結んでおきながら、「呉市の場合は最悪の結果となった」などと人ごとのようにうそぶいている(中国・九州地本の大庭委員長)。そして再就職先が決まっていない57人について「何らかの形ででも新たなスタートが切れるように願うばかりだ」とまったく無責任な言葉をはいている。こういう組合幹部たちが当局、資本の手先になることで、民営化、解雇、外注化、非正規化などがやりたい放題にやられ、労働者はどん底に落とされてきたのだ。
御用組合は当局といっしょになって「赤字だから民営化は仕方ない」という。ならば労働者は首を切られても「仕方ない」のか? 労働者は生きていけなくても「仕方ない」のか? 労働組合は当局といっしょになって「赤字をどうするか、経営をどうするか」と悩む存在では断じてない。労働者の雇用と生活をどう守るのか、それだけを必死に考え、当局、資本と闘うのが労働組合ではないか。今こそ労働組合を現場労働者の手にとりもどそう。
(7) 民営化はすでに破たんし始めている。あまりにひどい条件の広電行きを拒否する労働者が続出し、4月以降の路線等の維持は困難だ。小村市長、市交通局当局、広電資本はあわてふためき、交通局の現役労働者を切っておきながら、運転士の新規募集まで行ってきた。それでもなお50人以上が不足し、減便等は不可避の情勢だ。広電への交通局職員の個人情報の勝手な提供(個人情報保護違反)などデタラメばかりをやってきた民営化だが、「現在の路線等を維持する」という広電との基本協定、市長の市民に対する口約束自体が大ウソだったのだ。こんなデタラメな民営化は白紙撤回以外にない。
(8)本当の勝負はこれからだ。職場に怒りは満ちあふれている。勝利の道は、職場に労働組合をよみがえらせ、団結をとりもどすことである。民営化・外注化・非正規化・新自由主義と闘っている全国・全世界の仲間とつながることだ。呉市交通局民営化・首切りを阻止するため、われわれは、不当な分限免職を差し止める訴訟もふくめ、あらゆる手段をつくして闘うことを宣言する。交通局労働者と呉市民の団結で、小村市長と広電資本による首切りと地域破壊の民営化を必ず阻止しよう。
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