12・16団体交渉報告
評価シート提出拒否者への違法な賃金カットを直ちに止めろ!
『医療の現場』No.112
2016.12.14
草津病院支部
草津病院で働く仲間のみなさん!
組合は、去る12月16日、草津病院経営(更生会)と団体交渉(団交)を行いました。団交では、経営のあまりにもふざけきった対応と態度、見解に怒りが爆発しました。組合は、人を駒のように扱う新自由主義経営のあり方と真正面から対峙し、一歩も引くことなく弾劾し、怒りを叩きつけて団結を固めました。
改めて草津病院経営が、骨の髄から「命より金」の新自由主義であり、生きている労働者の生活を顧みない"金の亡者"だということが明らかになりました。
◆シフトが組めない問題は人員不足が原因だ
1病棟で年末年始のシフトが組めず、くじ引きになった件で、組合はその原因が人員不足にあると指摘しました。
組合の人員不足の見解に対して平田総務部長は「1棟では、施設基準の2割増の人員を配置しています。どこが不足ですか?」と非正規もすべて正規に「常勤換算」して、フルタイム労働者の数字上の「人数」は充足していると回答しました。
経営側は、施設基準で適正なら現場に問題はない、人員は足りていると強弁しました。しかし、実際に病棟を始め病院全体で業務過多-過重労働が蔓延しているいう現実は見据えません。「すべて問題なし」と日々、強労働を労働者に強要している現実をごまかしていることが団交の中で浮き彫りになりました。
◆施設基準は安全の目安ではない
「基準」等というものは、行政が資本の都合がいいように自由に改訂しています。安全衛生法の放射線被曝限度などは、3・11フクシマ以後は数値を引き上げています。まさに基準は国や経営が勝手に決めるものであり、現場の労働者に取っては安全の目安ですらない状況です。平田事務部長は「シフトはみんなで決めているし、決めればいいことです」などと何か"民主的"に決めているかのように言いましたが、実態はシフトが破綻した場合、管理職が強力に説得して入れるか、「穴は開けられない」という現場の労働者の誇りを悪用した"自主的就労"でしかありません。人事考課制度とスキル・職種で分断された草津病院で、民主的にシフトを決めるなどあり得ないし不可能です。経営側は本当に現場が解っていません。
◆「広島県労働委員会命令は間違い」と強弁
評価制度2段階引き下げは不当労働行為であると認定した県労働委員会命令についても全く許し難い見解を持ち出してきましたが、組合は絶対に許さず闘い抜きます。
以下はそのやりとりの要旨です。
【組合】11月29日交付の広島県労働委員会命令に、どう受け止め、対処するのか。【経営】県労働委員会命令を不服として、先週までに中央労働委員会(中労委)に再審査の申立を行ったところ。【組合】それでは、命令は中労委での結論が出るまでは生きている、その間、経営は就労規則の改廃や不利益の回復については、どう対処するのか
【経営】県労委命令は確定ではない。何ら決まったことはない。中労委の判断やその後の結果待ちということだ。
【組合】命令は、評価2段階引き下げは不当労働行為だと断じている。違法=犯罪だということではないか。
【経営】県労働委員会命令は人事考課制度は問題ないと判断している。
【組合】不当労働行為とは労働組合法違反ということで、弁護士なら判るのではないのか
【経営】不法や違法ではない。これは県労働委員会の「不適法」ということだ。
【組合】「不適法」とは、どういう意味か
【経営】この場合、県労委が法(労働組合法)を適用することを誤っている状況ということだ。違法行為には当たらないし、県労委が間違っている。
【組合】県労委という県の労働行政の機関が正式な手続きを行い出した命令だ。第3者の公平な判断ではないのか。
【経営】不服だから中労委に再審査を申し立てた。
【組合】経営の言い分は、全く間違った解釈であり、労働委員会制度軽視-否定の論理だ。これは認められない。現に組合員が、経営の組合つぶしと評価シート提出拒否闘争への報復で大変な不利益を被ってきた。この現実を見よ!今すぐ原状を回復することを要求する!
◆反撃の時は来た!
現場の労働者が必ず起ちあがると信じて不屈に闘い抜くことです。人事考課制度反対の評価シート提出拒否闘争が現場労働者に拡がることを恐れた経営側による組合つぶしは、団結して闘えば、ハネ返せることを、今回、組合は身をもって示したのです。
反撃の時は来ました!この攻撃を根底から覆すチャンスがきています。
働く仲間のみなさん!決着は、組合が職場闘争によって着ける!ということです。草津病院経営は、組合員への違法な賞与・賃金の減額を今すぐやめろ!減額分を支払え!ただちに組合つぶしの人事考課制度を撤廃せよ、を掲げて断固、闘いを進めます。ともに闘おう!
【組合員の声】
評価シートの提出を拒否したら評価が2段階下げられ、賞与が減額されることは判っていました。だから覚悟して拒否してきました。しかし、組合が拒否した後から、評価が2回続けてDになれば基本給をカットするというのを決めたのは卑劣で、汚いやり口です。怒りが湧いてきます。病棟では、みんなが誇りを持って精一杯、働いているから業務が回っています。この仕事を経営が勝手に評価することなど、認めたくありません。絶対反対です。これからも闘い続けます。