2010/06/23

マツダ宇品工場事件に対する緊急アピール

マツダ宇品工場事件に対する緊急アピール

広島連帯ユニオン

6月22日の朝、マツダ宇品・本社工場内で労働者11名が暴走車にはねられ、うち39歳の労働者(正社員)が死亡するという事件が発生した。この事件をめぐって、容疑者がマツダ工場で働いていた42歳の非正規雇用労働者(期間工)であったことから「会社への恨み」という報道が行われている。マツダ車のファミリアを暴走させた彼は「秋葉原事件のようにやるつもりだった」と言っている。これは“工場での秋葉原事件”そのものだ。彼を事件に駆り立てた怒りは単に個人的なものではない。事件は労働者が本来は団結するべき工場内で起こっているのだ。国鉄分割・民営化以来の新自由主義政策の下で期間工と正社員に分断され、徹底した団結解体の中で生み出された絶望的な怒りの爆発だった。

この怒りは労働者に一切の犠牲を強いて生き残りを図る自動車資本(マツダ)とそれと結託している連合・自動車総連(マツダ労組)という御用組合へむけられたものに他ならない。私たちは09年「派遣切り」以来、マツダ工場での労働者の団結を訴えてきた合同労組として、改めて正規・非正規職の分断をのり越えて、職場で団結をつくりだし、たたかう労働組合をよみがえらせることを訴える。

世界は大恐慌に突入し、資本主義体制が崩壊の危機に直面している。各国政府は史上かつてない危機ののりきりをかけて、天文学的な公的資金を投入し、国債を乱発して資本を救済し、資本主義体制を何とか取り繕うために躍起になってきた。その中心が自動車産業だ。自動車資本は、「派遣切り」を容赦なく断行して何百万という労働者を路頭に放り出した。その一方で労働者から搾り取った血税を自動車産業に注ぎ込み、さらに“エコ・カー減税”というペテンで自動車産業を救済してきたのだ。それが「景気回復」なるものの正体だ。資本は雇用調整金を政府から受け取りながら、他方で労働者を切り捨て生き延びてきたのである。

職場では、解雇・要員削減と過重労働が強制され、会社のためにガマンして働け!とマツダ資本とその手先である御用組合(マツダ労組)が結託して労働者の怒りを抑えつけてきたのだ。今回の事件は、この抑圧体制が崩壊したことを劇的に示している。

では、労働者の怒りはどこへむかうべきなのか。それは「(一社員ではなく)社長をやればよかった」ということなのか?いやちがう労働者は怒りを燃やして起ちあがり、隣の働く仲間と団結して、職場にたたかう労働組合をつくり、資本と非和解でたたかうべきなのだ。この『あたりまえの労働組合』の中に労働者の生きる希望と未来への展望がある。資本の生き残りのために政府中枢に入り労働者によりいっそうの矛盾の集中(解雇・増税)を強制し、たたかう労働組合に襲いかかってくる連合の幹部どもをブッ倒して、職場にたたかう労働組合をよみがえらせよう!

菅政権―民主党・連合政権が、大リストラと首切り・増税の反動政権であることは今や誰の目にも明らかだ。JALや社会保険庁労働者の大量解雇を皮切りに、公務員制度改革―道州制で360万人の首切りを強行しようとしている。この張本人こそ自動車総連(全トヨタ労連)出身の連合幹部・直嶋正行(通産相)だ。絶対に許してはならない!

中国では、ホンダやトヨタをはじめ自動車工場で、低賃金と格差に反対して10代や20代の青年労働者が起ちあがり、御用労組(総工会)をブッとばして、ストライキで工場を占拠し、操業を止めてたたかっている。日本でも状況は全く同じだ。青年労働者の皆さん!私たちと共に資本とたたかい、中国やブラジル、全世界の労働者階級と連帯し団結して、人間らしく生きられる未来を切り拓こう!

社会の主人公である労働者を犠牲にしなければ成り立たない資本主義はもう終わっている。その枠内で選挙や救済を求めても何も変わらない。今こそ、資本への怒りを団結の力に変えて、たたかう労働組合を職場・地域につくりだし、労働者の手で社会を動かしていこう。

労働者の非正規職化の始まりであり、労働者が働いても生きていけない状況を生み出した国鉄分割・民営化に反対し、24年間、不屈に解雇撤回を求めてたたかってきたJR(国鉄)の労働組合―動労千葉や国労のたたかう仲間が、新たな全国運動を呼びかけて全世界の労働者の共感と賛同を受けてたたかいを開始している。このたたかいの中にこそ労働者、とりわけ青年労働者の生きる道がある。この道を共に進もう!

(2010年6月23日)

2010/06/15

働く仲間の団結で、職場の仲間を取り戻そう!

『医療の現場』号外2(2010/6/15)

ユニオン組合員は不屈に不当なデッチ上げと闘っています!
 六月一〇日に草津病院で「窃盗」事件の容疑者として不当逮捕されたユニオン組合員である看護師Nさんの身柄は、さらに一〇日勾留が決定。まったく許しがたい不当な勾留です。絶対に認められません!
 警察は、本人との面会を禁止し、弁護士としか面会できないようにしています。彼は「黙秘」して理不尽なデッチあげと闘っています。彼は私たちと共に働いてきた仲間です。一刻も早く私たちの職場へ取り戻そうではありませんか!
病院は真相を明らかにしろ!
 入院中の患者や家族とのトラブルが生じた場合、病棟の責任者が、関係スタッフに事情を確認するのが普通です。ところが今回は、いきなり多数の警察官が病院に来て、身柄を拘束して逮捕してしまうという異常な事態なのです。はじめから逮捕するのが目的でした。
 今回の「事件」では、病院当局は「まったく何も知らなかった」と言っています。病院が「知らなかった」のであれば、警察に抗議して引き取らせるべきです。事情もわからないのに警察に病院の職員を引き渡し、職員個人の責任として一切を切り捨てていくやり方には、職員はとうてい納得できません。病院は真相をすべての職員の前に明らかにすべきです。これはJR尼崎事故のように、規程を超えてスピードを出した運転手に事故の責任があるとして、JR西日本が責任逃れをしたのとまったく同じです!ふざけるな、ということではないですか!

病院でおこる事故・事件の一切の責任は、病院資本にある!
 今、医療・福祉の現場では、事故、労働災害が多発しています。これらの多くが当事者の「自己責任」にされてきました。大変な緊張と重圧の下で医療・福祉労働者は働いています。評価制度導入で現場の仲間のチームワークも破壊されています。その上に慢性的な要員不足です。
 このような労働環境を強制しているのは病院資本ではないですか。それならこのような働かせ方をしている病院そのものに、パワハラや虐待、医療過誤などの一切の責任があるのは当然のことです。
見せしめの弾圧と闘っている仲間を職場の声で取り戻そう!
 不当逮捕された青年労働者は、草津病院において「評価制度」に反対して「人事考課表」の提出拒否を貫いてきました。また、全国の医療・福祉職場の労働組合運動の先頭で闘っています。
 Nさんは、六月一三日に、東京で開催された1047名解雇撤回!国鉄闘争集会に参加しようとしていました。この全国集会への結集を阻むために今回の権力犯罪が仕組まれたのです。
何よりも彼は、草津病院の看護師であり、私たちと一緒に働いてきた仲間です。面会した弁護士を通して、これからも草津病院の職場で働く意思を表明しています。これまでも警察の不当な捜査によって、数々のえん罪事件やデッチあげ事件が作られてきたのです。
 Nさんを草津病院の仲間で激励し、私たちの声で職場に取り戻そう!

2010/06/11

不当逮捕を許すな!

『医療の現場』号外 2010/6/11
広島連帯ユニオン草津病院支部

昨日10日の朝、草津病院でいつも通り勤務中の看護師(広島連帯ユニオン組合員)を、広島西警察署の警察官が連行し、「窃盗」事件の容疑者として不当逮捕したことを徹底的に弾劾する。これは、労働組合の闘う青年労働者を狙った大弾圧です。絶対に許さない!
いま全国で青年労働者が労働組合運動の先頭に起って闘い始めています。二千万人の青年労働者の怒りで、自民党支配が打倒され、鳩山内閣が打倒されました。団結した労働者の力で社会を変革する時代が始まりつつあります。
まさにこのような情勢の中で、労働者をさらに搾取して生き延びようとする資本家どもが、警察と協力して、労働組合の破壊と青年活動家への弾圧を策動しているのです。

「完全黙秘」で不当なデッチ上げと闘っています!

病院内に端を発した「事件」であれば、警察が介入する前に、まず病院が患者や家族、職員の関係者から事情を聞き、事に当たっているはずです。ところが、平田事務部長は「警察が来たから取り次いだ。何も知らない。」と言いました。これはまったく理解できません。
また、昨日午後のテレビ報道も、異常な取り上げ方でした。取り調べなどほとんど始まってもいない内から、テレビ局は警察発表をそのまま垂れ流し、青年労働者を犯人扱いしています。
今回の逮捕の目的は、労働組合活動を止めさせるところにあります。組合員は「完全黙秘」で不当なデッチ上げと闘っています。警察の不当な弾圧を許さず、一刻も早く私たちの職場へ取り戻そう!

警察と草津病院は一体だ!処分は許さない!!

相原事務部長代理は、かつて「警察に情報を提供する」とユニオン組合員に言いました。屋上に監視カメラまで付けて、組合活動を監視しているのもそのためです。ユニオンは、不当逮捕を口実にした、病院による懲戒処分を絶対に許さない!ユニオンに加入して労働者の団結の力で職場を変えよう!