2016/04/30

『医療の現場』No.105(4・22団交報告)を発行|草津病院支部

「採用も解雇も経営者の自由」じゃないぞ
職場を動かしているのは労働者だ!
介護労働者の使い捨て許すな!

『医療の現場』No.105
2016/4/30
草津病院支部

 組合は、去る4月22日、1病棟のK組合員への不当解雇問題で病院と団体交渉を行いました。1か月の期間雇用契約を結ばされ、病棟へ配属されたKさんは、雇用期限終了のわずか2日前に「首切り」を通告されました。
 この理不尽極まりない「解雇」を撤回させ、今後、草津病院での「期間契約職員」=非正規雇用を絶対に許さない、との決意で団交を行いました。
 組合は、1人組合員と団結して、すべての職場の労働者を非正規雇用に突き落とし、好き勝手に首を切ろうとする資本家=草津病院理事会の悪らつな施策を、K組合員と組合の団結の力で暴き出しました。大勝利です。以下はその報告(第1回)です。

■1か月、2か月契約でも経営の好き勝手

 まず組合は、草津病院がハローワークで6か月の「期間契約社員」の「求人票」を出しておきながら、それを見て採用面接に来たKさんに1か月の雇用契約を提示したことについて、これは「詐欺である」と追及しました。
これに対して平田事務部長は、「求人票と労働契約とは別、1か月契約でも2か月でも経営の自由」「ケースバイケースだ」と言い放ったのです。これでは労働者を煮て食おうと焼いて食おうと自由」ということです。労働者は経営者に「生殺与奪の権利」を与えたわけではないのです。絶対に許されません。
 草津病院は、公的なハローワークでの求人なども「人集めの求人広告、何を出そうが勝手」と言っているのに等しい。ふざけるな!生活のために働きたいと願う「心情」を利用して、どんな過酷な働かせ方をしても、使い捨ても解雇も経営者の自由だ、と言い切った。いいかげんいしろ!

■「契約を更新するかどうかを、前もって言う義務はない」

 団交で病院側は「道義的に気の毒とは思うから2日前に言った。法律的には言う義務はない。」と言いました。人間の、労働者の生活と命を何と考えているのでしょうか。労働者にとっては明日、同じ職場で働けるか否かは、死活問題です。それを2日前に言えばいい、ということではありません。労働者を「哀れむべき対象」とでも思っているのか!
 第2次大戦後に、労働者民衆の闘いで勝ちとった「労働基準法」や「労働組合法」では、解雇は生活と命を奪う重大な問題として、経営者による労働者の使い捨てを認めていません。また労働者は団結して労働組合を結成・加入して闘い、資本家に安易に解雇をさせなかったのです。
 労働者とは、このような誇り高い存在なのです。断じて惨めな存在ではありません。
 国鉄分割・民営化(1987年)に始まる新自由主義政策の下、2007年に労働契約法が、資本家が労働者の首を自由に切ることをめざす法律として制定されました。資本家は、会社が「契約更新をしない」と言うだけで、労働者が職を失うような「解雇自由」のしくみをつくろうとしているのです。
 しかし、闘う労働組合の団結と闘争によって、労働者の解雇を撤回させる勝利が、数多く勝ちとられてきました。国鉄1047名解雇撤回闘争は、その基軸です。
 Kさんの組合加入と今回の団交によって、病院の不当な採用と解雇に、労働者は泣き寝入りなど断じてせず、解雇自由を既成事実にしようとした経営を逆に追い詰め、病院のあからさまな「労働者は使い捨て」というあり方を暴いたのです。1人の闘いが職場を、社会を変えるのです。組合は今後も、草津病院の非正規職化を絶対に許さず闘い抜きます。

■医療や介護の職場でも「非正規雇用」はありえない!

 自民党-民主党の歴代政権による新自由主義政策・医療福祉制度改悪によって、医療福祉の現場は要員不足と過重労働に追い込まれています。とくに介護保険制度の創設(2000年)をはじめとするさまざまな医療福祉・介護の民営化・営利産業化・市場化によって、職場にすさまじい労働強化、就業規則の不利益変更・人事考課制度、さらには非正規雇用が持ち込まれ、労働者の差別・分断と団結破壊・組合つぶしが進行し、労働者から利潤を大幅に搾取することが強化されました。
 医療福祉の現場では、病床数や入所者数に応じて職員の定数が定められており、継続したケアの提供と患者・入所者との信頼関係、技術の継承や安全の確保のためのチームワークの必要性など、あらゆる点で、職場に根ざして働く正規雇用しかあり得ません。職場の安全を損なう非正規職化は絶対に反対です。
 このような現実は「命や安全より金儲け」という新自由主義によってもたらされたのです。医療福祉・介護労働者は、今こそ闘う労働組合に加入して団結し、職場を変える闘いに立ちあがろう。

■草津病院の「期間契約職員」=非正規職化絶対反対!

 K組合員の解雇問題と団体交渉で明らかになったことは、「1か月契約」や「1か月前通告しない」という不当極まりないことが、Kさんだけの「特例」ではなく「草津病院のやり方」だと開き直ったことです。
 つまり今後も続く病棟大再編(6病棟や8病棟、4病棟の改編)の中で看護師を含むすべての職種・職員にも「期間契約職員」=非正規職化を推し進めていくということです。
 草津病院のすべての働く仲間は、草津の病棟再編=救急病院化、非正規職雇用を止めさせるために草津病院労働組合(広島連帯ユニオン草津病院支部)に入って、生きさせろ!の声をあげて、命と暮らしを守ろう!

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